今期末にはミニチュア・小径ボールベアリングの生産能力を月産3億4,500万個体制にするということは既にご案内の通りですが、今回それをさらに3億6,500万個まで増やすことを決定しました。このスライドの右上の図にもあります通り、2017年の生産能力は2億5,000万個でした。そこから、私も関与した生産性改善により2億8,500万個に、さらにボトルネックの改善を中心に設備投資を80億円、65億円と実施して3億1,500万個。事業部での生産性改善で3億2,500万個。昨年には100億円の追加投資により3億4,500万個、今回さらに100億円を投資することにより3億6,500万個となります。この背景には、自動車、ファンモーターの需要が非常に強いことがあります。特に、EV化によってミニチュア・小径ボールベアリングの員数が増えていくということはこれまでにも何度もご説明差し上げていますが、事実としてこの4、5年で生産能力を1億個以上も増やさないといけないような、大変な需要増となっています。
今回決定した増産は、タイで建設していた多目的工場に生産設備を設置するものですが、一方で当社は2011年にタイでNHT工場を建設、順次設備投資をしておりました。そこからちょうど10年になりますので、これからはその償却負担が軽くなっていきます。従いまして、あわせて200億円の設備投資をしても償却費負担はほとんど変わりません。これは、いわゆる正の循環が始まっているといえると思います。ベアリングの競争力は、その供給力も含め、ますます揺るぎないものになってきていると確信しています。