説明要旨
更新日: 2018年2月16日
2018年3月期 第3四半期決算説明電話会議(2018年2月7日)
次に、当社の主力製品であるミニチュアボールベアリングの状況についてご説明します。
今期のボールベアリング事業は非常に強い成長を続けてまいりましたが、来期以降はこの成長がさらに加速すると見込んでおります。その背景を数量、コスト、そして価格の3つの面からご説明させて頂きます。
まずひとつ目の数量についてですが、外販数量は、前期までは、毎年月平均で1,000万個程度ずつ成長してきましたが、棒グラフでご覧いただけます通り、今期はその成長ペースが加速しております。速報数値となりますが、1月はついに2億個の大台を超えました。
また生産数量も早いペースで増加しております。昨年4月の時点の月産数量は2億5,000万個でしたが、11月には2億8,200万個、今期中には2億8,700万個まで引き上がる見込みです。
これは生産性改善の取り組みによって実現したものですが、来期はこれに前期に発注した80億円分の増産設備投資の成果が加わるため、3億個を超える生産体制を備えられることとなります。こうした好調の背景には、自動車、データセンター向けファンモーター、高級家電、そして小型ロボットという、4つの大きな風が吹いているという状況があります。
自動車では、省エネ性、安全性、快適性といった面の高機能化が進展し、またモデルチェンジやマイナーチェンジ等のタイミングでその採用も拡大しておりますが、そうした機能の多くにおいて当社のベアリングが使用されているという事実がございます。
その結果として、当社の自動車向けベアリングは、世界の自動車出荷台数の伸び率をはるかに上回って成長しています。さらに、EV化をはじめとしたイノベーションにより、自動車一台あたりに使用されているミニチュアボールベアリングの数も加速度的に増加すると見込んでいます。
データセンターでは、最近のある新聞では「爆買い」という表現がされていましたように、サーバーの需要が急拡大しています。サーバーはHDDであれSSDであれ、高い熱を発する一方で、高い信頼性が要求されることから、それを冷却するための高機能なファンモーターが使用されます。そうしたファンモーターには当社の高機能なベアリングが使用されていることから、その需要も急激に伸びております。
また高級家電については、さらなる省エネ性を実現するためにモーターの高速回転化、DCブラシレス化が加速しており、結果としてベアリングの需要も大きく拡大しています。
ドローンをはじめとする小型ロボットも同様に高性能なベアリングを使用したモーターを採用しております。
内販数量は、HDD向けは長期的には減少することを想定しておりますが、モーター向けでは増加していくため、今後も堅調に推移すると見込んでいます。来期の総販売数量は、外販の2億個と内販の8,000万個を合わせた2億8,000万個という、今期を大きく凌駕した水準からのスタートとなると見込んでいます。
ふたつ目のコストについては、製造ラインの段取り替え費用や輸送費等、生産性改善施策の一環で発生していた一過性費用は第4四半期から解消していく見込みのため、来期当初からは大幅に収益性が改善いたします。ただし、足元では急激な需要拡大が続いているため、しばらくこの増産基調が続くと想定されており、来期にも一部特別費用が残る可能性があります。
最後は価格についてですが、今後は価格政策の見直しを進めていきたいと考えております。従来の数量重視から品質要求も加味する価格設定をおこないます。具体的には、基幹部品向けや高品質品について、その付加価値に合わせた価格を提案し、見直していくといった活動を予定しております。
このように、販売、生産、コスト、そして価格を含め、来期以降のボールベアリングはさらなる成長を見込んでいます。
17ページ(全22ページ)
PDF資料をご覧いただくにはAdobe Reader®が必要です。
お持ちでない場合は、左側のAdobe Reader®ダウンロードボタンをクリックし、アドビシステムズのウェブサイトよりインストールしてください。
本文の終わりです