2017年

2017年10月12日

画像:FASFマーク

ミネベアミツミ株式会社

新製品「フィルム型高感度ひずみゲージ」の開発に成功
~従来比500%以上の高感度化、約1/10以下の小型化を達成!~

ミネベアミツミ株式会社(以下ミネベアミツミ)は、新製品「フィルム型高感度ひずみゲージ」を開発いたしました。ミネベアミツミは、従来から「ひずみゲージ*1」を用いた荷重ならびにフォースセンサーにおいて業界トップレベルのシェアを誇っておりました。このたび、15年間にわたる研究開発の結果、世界に先駆けてフィルム型高感度ひずみゲージの開発に成功いたしました。新ゲージは、材料となる金属抵抗体材料に独自の製作方法を適用することで、高感度化(従来比500%以上)かつ、小型化(従来比1/10以下)を達成いたしました。

ひずみゲージは、起歪体きわいたい(金属など)に貼り付けて使用されており、貼り付ける起歪体については、センサー特性を確保するために材料選定に設計的な制限を受けていました。今回開発した新ゲージは、高感度特性を有しており、この設計的な制限を大幅に緩和でき、貼り付ける起歪体の材料の自由度が高まります。
また、小型化により、今まで使用できなかった微細な測定箇所への設置も可能となります。さらに、フィルム型ゲージであるため、小型だけではなく、大小さまざまなサイズに適用してフレキシブルなゲージを生産ならびに供給できるようになります。

  • *1 荷重(力)およびトルクの変化を電気抵抗の変化で読み取り、そののち電気信号に変換するセンサー

超精密なセンシングにより思い通りのインプットが可能に

新ゲージは、さらに小型化・多機能化が進むモバイル・ウェアラブル製品に対して、従来のスイッチとは異なり、タッチした力の強さにより多段階のセンシングが可能で、1つのスイッチで多機能の切替ができます。これにより、製品の小型化・省スペース化の実現に寄与できるようになります。また今後、市場が拡大するロボティクスにおいても、指先のような微細な力や、職人の技のような繊細な手の動きをもセンシングし、人間の動きに近いなめらかな動作を実現するための感触センサーへの応用も期待できます。将来的には車載用途等においても、お客様の設計ニーズにフレキシブルに対応することが可能となります。
そのほかにも幅広い領域への用途拡大が期待され、IoT時代のセンシングに大きく貢献します。

経営統合の技術シナジーを活かしたセンサーシステム

この新ゲージの開発と並行して、アナログデジタル変換回路を、旧ミツミ電機の半導体事業部で開発を進めており、新ゲージ+変換回路=新ゲージセンサーシステムの提供も同時に進めてまいります。
これらは、旧ミネベアと旧ミツミ電機の技術シナジーの具体的な最初の新製品となります。

数百億円超の売上を見込む

今後、2017年度中に量産体制を整え、2018年4月より、サンプル出荷を開始する予定です。事業目標としては、新市場の開拓、ならびに従来市場のシェアアップにより、数百億円超の売上が見込まれ、電子機器事業を支える製品になると想定しております。

ミネベアミツミはIoT時代に貢献するエレクトロ メカニクス ソリューションズ®*2のプロバイダーとしてベアリングに代表される超精密機械加工技術から、モーター、センサーや、半導体、無線技術に至るまで、幅広い先端技術を組み合わせ、常識を超えた「違い」で新しい価値を作り出してまいります。

  • *2 エレクトロメカニクスソリューションズは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。登録番号は5863395号です。

感度(従来比500%以上)

画像:感度(従来比500%以上)

小型化(従来比1/10)

小型化(従来比1/10)

従来品(左)と新製品(右)ひずみゲージ単素子

ひずみゲージについて

ひずみゲージとは、荷重(力)およびトルクの変化を電気抵抗の変化で読み取り、そののち電気信号に変換するセンサーです。ひずみゲージが貼り付けられた対象物に荷重(力)が加わると、対象物のひずみとともにひずみゲージが伸縮しゲージの電気抵抗値が変わり、その変化量を用いて荷重(力)として測定する仕組みです。

当社ひずみゲージは、特徴として質量が軽く、測定したい場所へ貼り付けることができるため、同様な測定に用いる電子基板実装が必要なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)センサーなどに比べ、測定したい場所を直接測定できるメリットがあり、ひずみゲージを使用したセンサーでの当社製品は高いシェアを有しています。

ひずみゲージは非常に小さく、質量が無視できるので、慣性の影響が無く、感度・安定性・疲労寿命に優れています。全品種が自己温度補償されており、金属、プラスチックを問わず、多様な熱膨張係数を持ったあらゆる被測定物に対して使用できます。

従来ミネベアミツミは、標準的な増幅回路ならびにアナログデジタル変換回路等はラインナップにございませんでしたが、今回の新ゲージの開発とともに、旧ミツミ電機の半導体製品との技術シナジーにより、センサーの信号処理として、AFE(Analog Front End)、ADC(Analog-to-Digital Converter)などの回路について、新ゲージの特徴をいかしたアナログデジタル変換システムを標準品としてご提案します。これにより、従来に比べてゲージとセンサーのチューニングが容易なセンサーシステムとしてご提供することが可能となり、IoT時代に対応するフレキシブルなセンシングに貢献いたします。

<ひずみゲージの一般的な仕組み>

画像:ひずみゲージの一般的な仕組み

<アナログデジタル変換システム>

画像:アナログデジタル変換システム

<特許>

「高感度ひずみゲージセンサー」の構造や製造方法について40件の特許を出願申請しています。

以上

報道関係お問い合わせ先 ミネベアミツミ株式会社 広報室
Phone: 03-6758-6703 FAX: 03-6758-6718
ミネベアミツミ株式会社およびミネベアミツミグループ各社の、おもなニュースリリースを掲載しています。
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。製品または商品の仕様変更・販売終了等により、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

プレスリリース一覧 に戻る

ページの先頭へ戻る

Follow Us

Twitter Youtube