製品設計開発

半導体事業部 半導体開発センター

リチウムイオン電池保護ICを開発

N.K 2014年入社/情報工学府情報システム専攻

入社
理由

高専で電気工学を専攻していた際に、半導体工学に興味を持ちました。髪の毛の直径より小さい極微細な素子が何百万も数ミリ角の部品に詰まっていると知って感動し、この最先端技術を設計するエンジニアになろうと決意。前職の半導体設計会社で4年間設計に携わったあと、事業譲渡に伴う転籍によって当社に入社しました。

現在の仕事

技術革新を捉え、最新技術を製品に反映する

リチウムイオン電池保護ICの設計部署にて、回路設計やプロジェクト管理、顧客からの技術問い合わせ対応を担当しています。保護ICは、電池の異常電流・異常電圧を検知して危険な状態から保護する役割があり、リチウムイオン電池パックには必ず搭載されているものです。電池の容量や使用用途に応じて検知すべき電流・電圧が異なるため、品種は多岐に渡ります。当社は一直リチウムイオン電池保護ICの世界シェア1位であり、トータル500品種以上を取り扱っています。
近年、スマートフォンやワイヤレスイヤホンの技術革新は目覚ましく、急速充電や長時間使用など、リチウムイオン電池保護ICへの要望も日々変化しています。常にお客様からの引き合いは絶えず、年間100品種以上の新規開発品を世の中に送り出すほど。現在私が担当している北米のお客様からも、より高精度で多機能な保護ICを求められています。お客様が何に困っているのかを適切にすくい上げ、最適なソリューションをいち早く提案するには、技術動向のキャッチアップは欠かせません。最新技術を製品に反映し続けることで、チームの技術力が向上するなど、成長を感じる場面も多いですね。

転機となった出来事

お客様が必要とする「解決」はどこにあるか

以前から米国駐在を志願していたこともあり、入社5年目のときにフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)として、シリコンバレーにあるサンノゼ事務所に赴任しました。日本の設計チームの窓口として、現地エンジニアとコミュニケーションを図り、新規ICの仕様すり合わせや技術問い合わせなどに対応する役割です。
あるときお客様から、保護ICの特性に問題が生じていると報告を受けました。その内容は、製造工程で基板にかかる熱や圧力により、保護ICの特性が数mV程度変動してしまうというもの。わずかな変動が保護ICの精度に影響するため、お客様は改善を強く希望されました。打ち合わせは毎週に及びましたが、製品開発上の守秘義務の都合からか、具体的な要求では伝えていただけない内容もあり、先方が求める「解決」を掴みきれない場面もしばしばありました。
そこで、日本側チームと「先方担当者が知りたがっていることは何か」「こちらはどうリクエストをすれば情報を得られるか」等を事前にすり合わせ、打ち合わせに臨むことにしました。加えて、工場メンバーにも打ち合わせに参加してもらい、生産工程の見直しを含め原因究明や改善にあたったのです。その結果お客様が必要としている「解決」への道筋が見え、その後、約半年かけて改善品のサンプルを提出することができました。
4年半の駐在を通じて、お客様が私たちになにを期待しているのか、どのように立ち振る舞えば、必要な情報が得やすくなるのかなどを理解できるようになったと感じます。正論でぶつかるだけでは、プロジェクトは前に進みません。お客様の状況を踏まえ、コミュニケーションの形を変えていくことで道が開けるのだと学びました。

将来の夢

市場動向と技術動向を
製品に落とし込めるエンジニアに

設計プロジェクトリーダーとして、新たな技術や製品を生み出せる存在になれればと思います。FAEとして海外のお客様の声を直接聞いてきた経験を活かし、市場全体を見渡せる幅広い視野を持ったエンジニアになれたらと。そのためには、半導体設計の専門知識をもっと身につける必要があります。現在の設計チームでは私が一番後輩で、技術力では先輩たちに遠く及ばないと実感しているところです。周囲のサポートを受けながら、設計業務を通じてさらに技術を磨いていけたらと思います。
将来的には、保護ICの経験を生かして、他の半導体製品も手がけていければと考えています。市場動向や技術動向に常にアンテナを張り、新たな製品開発につなげていける半導体エンジニアを目指していきたいです。

1日のながれ

8:30
出社、メールチェック
09:00
新規保護IC仕様について北米顧客、ミツミ電機北米拠点チームを含めた3者Web打ち合せ
10:00
打ち合せ内容を受けて仕様提案資料作成
12:00
昼食
13:00
回路シミュレーターによる新規IC回路検証
15:00
回路デザインレビュー
17:15
退勤

オフタイム

米国駐在をきっかけに妻とともにメジャーリーグにはまり、駐在中はエンゼルスを応援するためにスタジアムまで足を運ぶようになりました。日本に帰任して以降も試合結果はこまめにチェックし、週末はテレビ観戦を楽しんでいます。

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