製造加工技術

ボールベアリング事業部 製造部門 製造部

製造設備を完璧に調整する

Y.O 2008年入社/理工学部 機械工学科

入社
理由

大学時代は機械工学を専攻していました。高精度の製品はどのように製造されるのか興味があり、「ミネベアはなぜ強い」(岩井正和・ダイヤモンド社) という本を読んだのが当社を知ったきっかけです。海外拠点での交流に関する記述に、人を大事にする会社だと感じました。

現在の仕事

完璧な品質のために一切の妥協も許さない

当社ではベアリングの量産をタイなどの海外拠点で行っていますが、一部の特殊な製品は軽井沢工場の生産ラインで製造されています。私は軽井沢工場の小径ボールベアリングの研削生産ラインのリーダーを務め、ベアリングを構成する内輪と外輪の仕上げ部分に携わっています。仕上げには溝部分を加工する「溝研」、表面を鏡面状に仕上げる「超仕上げ」等の工程があり、加工機器のメンテナンスは一日も欠かせません。
不良品を一つも出さずに、かつすべての製品が同様に高い品質を維持できるよう生産するには、製造設備を完璧にセッティングする必要があります。各工程では1ミクロンの機器のズレも許されず、新規のモデルを製造する場合は生産ライン全てを調整するのに丸一日かかることもあります。ねじを締める順番や、砥石のバランスなど漏れ無く確認し、生産ラインの稼働前に不安要素は全て取り除きます。
生産ラインが稼働している最中であっても、製造されたばかりのベアリングを確認します。曇りや傷が残る箇所を見れば、どの工程に異常が起きているか特定できるためです。万が一、製品の異常があった場合は、出荷前の1ロット(1万個)全てについて、顕微鏡を用いて手作業で確認することもあります。仕上げ工程は全工程の最後に位置するため、不具合が発生すればお客様の元まで製品が届きません。重責を伴う工程であり、緊張感とやりがいを持って取り組んでいます。

転機となった出来事

タイで夢中で取り組んだプロジェクトと時間

2010年から3年間タイに駐在し、そこで新プロジェクトのリーダーとして取り組んだ事例は、いまも強く印象に残っています。このプロジェクトを進めるために、ベアリングを削る砥石の形状・種類・粗さ等を検討し、上司のアドバイスを得ながら、様々な研削手法の試作を繰り返しました。生産プロセスを変更する場合、現行の品質以上の製品に仕上がらねば採用は認められないため、軽井沢工場の技術関連部署からも助言をもらいました。工程改善のためには、本来稼働し製品をつくり出している機械を止めて、試さなければならないため、タイの製造担当者に説明し、機械の使用許可を得る等の調整も忘れてはなりません。多くの人の協力により、プロジェクトは2ヵ月で形になりました。振り返れば、新しいアイデアを実現させるために寝食も忘れ夢中で取り組んだ時間でした。一心不乱に物事に取り組み成功した経験は、今も生産ラインのセッティングを慎重に行う姿勢に活きています。

将来の夢

熟練の技術を自分のものにし、次の世代へ引き継ぐ

タイへの駐在が決まった時は、海外旅行の経験もない上に英語に自信がなく、正直に言うと躊躇もありました。しかし、タイの異文化にスムーズに慣れたためか、今では外国人との会話も楽しくなり、視野もとても広がりました。将来は再び海外で仕事に就くのが夢です。
研削工程のリーダーとしての職務をより極めるため、今はまだ一層の経験を積む必要があると考えています。例えば、生産ラインに問題が発生した時、原因となる事象について知識がなければ即時の対応ができません。熟練の技術者が持つノウハウを受け継ぎ、時には改善も加えながら、自分の経験にしていくのが私の目標です。
私は入社時から、ベアリングの命とも言うべき仕上げ工程を担当したいと願っていました。いつか自分のような後輩が配属されたとき、自信を持って指導にあたり、経験を引き継いでいけるよう、今は自分のできることを一つひとつ積み上げていくよう心がけています。

1日のながれ

08:00
出社・メールチェック
08:30
加工機のセット、生産ライン稼働
11:30
トラブル対応
13:00
製造したベアリングを顕微鏡で確認、生産ラインの巡回
16:30
生産ライン停止
17:10
退社
  • 生産ライン稼働中は随時巡回し、稼働状況をチェック

オフタイム

週1回ゴルフの練習に通っています。毎年、社長杯という社内ゴルフ大会があり、私も参加しています。また、タイ駐在をきっかけに、家族と海外旅行に行くようになりました。

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