2026年

2026年9月8日

ミネベアミツミ株式会社

ABLICの『バッテリレス漏水センサ』、実橋梁検証結果を土木学会で発表
~ 梅雨、台風、凍結等の気象条件下で7か月間モニタリング、有効性立証に貢献 ~

「漏水モニタリングシステム」構成図

「漏水モニタリングシステム」構成図

ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は、西日本高速道路エンジニアリング中国株式会社(以下:NEXCOエンジニアリング中国)、ならびに、株式会社ビー・ビー・エム(以下:BBM)と共に、実際の橋梁にて漏水対策および簡易モニタリングシステムの実証実験を実施しました。本実験では、BBMの自己融着性シリコーンテープを用いた止水工法(以下:簡易止水工法)と、ABLICのエナジーハーベスティング技術「CLEAN-Boost®」を搭載した『バッテリレス漏水センサ』による「漏水モニタリングシステム」を組み合わせ、その有効性を検証しました。その結果、簡易止水工法による止水性能の維持に加え、『バッテリレス漏水センサ』を用いたシステムが「排水管からの漏水の早期発見に有効である」との検証結果が得られました。この成果を含め、9月3日、令和8年度 土木学会全国大会にて学術論文が発表されました。

実験の背景と社会的課題

国内の道路橋をはじめとする社会インフラは老朽化が急速に進行しており、維持管理や点検の効率化・省力化は国を挙げた重要課題となっています。中でも「PC箱桁橋(プレストレスト・コンクリート箱桁橋)」の内部は、暗く狭いため点検作業が難しい閉鎖空間です。この内部を通る排水管継手部から漏水が生じると、コンクリートの剥落や内部鉄筋の腐食など重大な損傷につながるリスクを抱えています。従来の防水テープによる仮補修は再劣化が散見されたため、補修工事にあたり多大なコストと施工期間を要する変状にまで進行する前に早期に把握することが喫緊の課題でした。さらに、電源のない橋梁内部では有線・電池式センサの設置や電池交換作業自体が大きな負担となるため、「施工が容易で低コスト、かつ電源確保に悩まされずに遠隔で早期検知ができるモニタリング手法」の確立が求められていました。

本実証実験における『バッテリレス漏水センサ』の役割と成果

こうした現場の課題に対し、NEXCOエンジニアリング中国、シリコーンテープを用いた「簡易止水工法」を担うBBM、および水との接触で自己発電する『バッテリレス漏水センサ』を提供することとなったABLICの3社によって実証実験を実施することとなりました。供用開始後約38年の実橋梁における補修箇所を対象に、2025年5月~2026年1月の約7か月間にわたり実証実験を行い検証を重ねた末、実務的にも現実的な運用が可能であることが確認されました。

実証実験を成功に導いたABLICの漏水センサ導入ノウハウ

『バッテリレス漏水センサ』本体は無電源・電池不要(バッテリレス)である一方、通信を受ける「受信機側の電源確保」が現場導入の最大の障壁となっていました。
そこで、ABLICは、①施工が容易で低コスト、かつ電源確保に悩まされずに遠隔で安定した検知ができること、②1日に1~2回の状況把握と長期間のメンテナンスフリーを実現できること、という運用上の課題をクリアするため、商業ビルや工場等への漏水センサ導入で培った省エネ技術を応用し、限られた時刻・時間にのみ受信機を起動させる「間欠駆動方式」を採用し検証しました。
『バッテリレス漏水センサ』の特性などを加味し複数の稼働パターンを検証した結果、「1日2回、各5分間のみ起動」とすることで、現場のニーズを満たしつつ極限まで省電力化できることを実証するとともに、電波環境の厳しい箱桁内でも安定した通信品質を維持し、汎用バッテリーのみで「約3年間の連続運用が可能」というデータを導き出しました。今後は、複数橋梁への適用および長期的な性能評価を通じて、適用範囲の拡大を目指します。

土木学会発表の概要

成果論文を「土木学会全国大会」で発表

梅雨、台風、凍結といった季節・気象条件を含む、約7か月間のモニタリング運用を通じて、止水効果の維持と、『バッテリレス漏水センサ』を使用した本システムが、実橋において遠隔早期検知を実現できるシステムであることが立証されました。この成果を受け、NEXCOエンジニアリング中国、BBM、ABLICの連名により、令和8年度 土木学会全国大会での論文発表となりました。

学会名称

令和8年度 土木学会全国大会新しいウィンドウで開く

発表名

箱桁内排水管継手からの漏水対策と簡易モニタリングシステムの実橋検証

発表者 (論文掲載順)

西日本高速道路エンジニアリング中国株式会社
エイブリック株式会社
株式会社ビー・ビー・エム

今後の展望

ABLICは、本実証実験で確認された3年間の連続運用について、定期点検間隔を5年間とすることを目指すとともに、様々な環境に対して引き続き検証を行い、今後も道路に係るインフラをはじめ、ビル・工場・プラント等の各種建築・設備メンテナンス分野へ広く横展開を図ってまいります。
また、通信環境についてもBluetoothに加え、より広範囲をカバーする次世代通信技術の開発・連携を進めることで、多様な現場に対応するシステム進化を目指します。

『バッテリレス漏水センサ』について

https://www.ablic.com/jp/semicon/products/cb/wls/新しいウィンドウで開く

『バッテリレス漏水センサ』関連情報

Webサイト

https://www.ablic.com/新しいウィンドウで開く

お問い合わせ

この件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

報道関係のお問い合わせ エイブリック株式会社 コーポレート・コミュニケーションユニット
E-mail: pr@ablic.com
ミネベアミツミ株式会社およびミネベアミツミグループ各社の、おもなニュースリリースを掲載しています。
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。製品または商品の仕様変更・販売終了等により、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

プレスリリース一覧 に戻る

ページの先頭へ戻る

Follow Us

Twitter Youtube