2025年
2025年9月18日
ミネベアミツミ株式会社
車載用 2DデュアルホールラッチIC「S-57W1/W2」を発売
~ 回転速度と回転方向を1チップで検知 モータアプリケーションの設計容易性向上に貢献 ~


ミネベアミツミグループ
「グリーンプロダクツ」
製品
ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、車載用2DデュアルホールラッチIC「S-57W1/W2」(※1)の販売を開始しました。
新製品「S-57W1/W2」は、機械的な回転運動を電気信号に変換する2DデュアルホールラッチICです。モータの動作開始時点からの相対位置の変化をパルス信号として出力し、その信号から回転数や回転速度、回転方向の情報を得るインクリメンタルエンコーダ用途に使用できます。従来は1方向の磁束密度のみを検知可能なICを2つ配置して機械的な回転運動を検知していましたが、「S-57W1/W2」は異なる2方向の磁束密度を検知できるホール素子を1チップに内蔵したことにより、1チップで検知することができる製品です。また、業界最高感度(※2)の磁気感度0.8mTtyp.を実現しているため、高分解能な回転検知を実現することができます。
さらに、標準的なパッケージSOT-23-5(2.9×2.8×t1.3mm)に加えて、2DデュアルホールラッチICとしては業界最薄(※3)の小型/薄型パッケージHSNT-6(2025,1.96×2.46×t0.5mm)もラインアップし、スペースに制約のあるアプリケーションへの組み込みにも対応しています。
昨今、自動車の電動化や自動運転技術の進化などにより使用されるモータが増え続ける中で、パワーウインドウ、サンルーフ、パワースライドドア、パワーリフトゲート等のアプリケーションにおいて、スムーズな動作や正確な位置決めが不可欠となります。「S-57W1/W2」は、これらの自動車部品を駆動するモータの回転数や回転速度、回転方向を高精度に、かつ、1チップで検知することが可能なため、電動開閉機構の快適性や利便性、安全性向上をサポートし、設計の容易性にも寄与する製品です。
- (※1)S-57W1シリーズ:OUT1端子から回転方向を示す信号、OUT2端子から回転速度を示す信号を出力する
S-57W2シリーズ:OUT1端子とOUT2端子がそれぞれ対応する検知軸に対して、磁束密度と磁界の極性に応じて
"H"(=High)または"L"(=Low)信号を出力する - (※2)2025年9月当社調べ
- (※3)2025年9月当社調べ
主な特長
- 1. 1つのICで2方向の磁束密度を検知可能
- 垂直磁場のみを検知可能なホールICを2つ使った回転検出機構では、位相差が90度の信号を検知できるように2つのICを配置しなければならないという制約条件がありました。「S-57W1/W2」は、異なる2方向の磁束密度を検知できるホール素子を一つのICチップに内蔵しているため、自動的に位相差90度の信号を生成でき、設計容易性の向上に大きく貢献します。また、多極リング磁石の着磁数を変更する場合にも基板設計をやり直す必要が無くなります。
- 2. 業界最高感度の高感度品ラインアップにより、多極リング磁石の弱い磁束密度を検知可能
- 回転検知の分解能を上げるためにはリング磁石の着磁数を増やすという方法が有効です。しかし、着磁数を増やすと1つの着磁部分の磁石体積が減少し、磁束密度が弱くなります。「S-57W1/W2」は0.8mT typ.という高感度品をラインアップしており、弱い磁束密度も検知することができるため、着磁数が多いリング磁石に使用することができます。
- 3. 業界最薄の小型・薄型パッケージをラインアップ 小型・低背のモータアプリケーションにも使用可能
- モータは、その用途によって様々な大きさや厚さが求められます。「S-57W1/W2」は2DデュアルホールラッチICとしては最薄の小型パッケージ、HSNT-6(2025)パッケージをラインアップしているため、実装スペースが限られる小型・低背のモータアプリケーションにも最適です。
- 4. 短い出力遅延時間により、高速回転に追従可能
- 「S-57W1/W2」の出力遅延時間は8.4µs typ.と短いため、高速な磁場の変化を検知することができます。これにより高速で回転するモータの回転検知にも対応できます。

主な仕様
• 出力タイプ | 回転速度/方向出力タイプ、直交交番出力タイプ から選択可能 |
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• 検知軸 | XY軸、ZX軸、ZY軸 から選択可能 |
• 出力論理 | 回転速度/方向出力タイプの場合 回転方向正転時VOUT1="L"、"H" から選択可能 直交交番出力タイプの場合 S極検知時VOUT1,2="L"、"H" から選択可能 |
• 出力形態 | Nchオープンドレイン出力、Nchドライバ+内蔵プルアップ抵抗(10kΩ typ.) から選択可能 |
• 磁気感度 | BOP=0.8mT typ.、BOP=2.0mT typ.、BOP=6.0mT typ. から選択可能 |
• 出力遅延時間 | 8.4µs typ. |
• パッケージ | SOT-23-5、HSNT-6(2025)から選択可能 |
用途例
- 開閉系の車載アプリケーションのモータ回転検知
- ダイヤル式コントローラの回転検知
アプリケーション例

パワーウインドウ、サンルーフ、パワースライドドア、
バックドア、ダイヤル式コントローラ、等
製品詳細
なお、車載用2DデュアルホールラッチIC「S-57W1/W2」に加えて、同じ特長を備えた民生用2DデュアルホールラッチIC「S-5791/92」も本日同時に提供を開始します。電動アシスト自転車のペダル回転検知、電動工具やロボット掃除機など、様々な民生用モータアプリケーションの回転検知に最適なICです。
Webサイト
https://www.ablic.com/jp/semicon/
本製品は、環境貢献に優れた製品としてミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定された製品です。詳しくはこちらをご覧ください。
お問い合わせ
この件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
報道関係のお問い合わせ | エイブリック株式会社 コーポレート・コミュニケーション E-mail: pr@ablic.com |
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一般のお問い合わせ | エイブリック株式会社 販売代理店 https://www.ablic.com/jp/semicon/sales/distributors/ ![]() |
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