2024年

2024年8月27日

ミネベアミツミ株式会社

クライアント/サーバ向けDDR5 DIMM用IC、SPD「S-34HTS08AB」を発売
高速通信I3C規格準拠、HUB機能搭載で大容量データ処理に貢献

DDR5 SPD EEPROM
ロゴ:ミネベアミツミグループ「グリーンプロダクツ」製品

ミネベアミツミグループ
「グリーンプロダクツ」
製品

ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、DDR5メモリモジュール用ICのSPD「S-34HTS08AB」の販売を開始しました。
昨今、クライアント用PCやデータセンター用サーバにおける通信データ量が急速に増加しているため、メモリモジュールにはより高度なデータ処理能力が求められています。これにともない、メモリモジュールは従来のDDR4と比較し、処理スピードが速く大容量のデータ処理が可能なDDR5へと規格変更が進んでいる最中にあります。
DDR5のメモリモジュールでは、メモリ帯域幅とデータ容量の増加に対応するために、システムの電源管理、熱管理を行うためのデバイスを搭載し、DDR4とはその構成を一新しています。この構成の実現においては、DDR5のSPDには従来のDDR4に備わっているEEPROM機能と、温度センサ機能に加えて、デバイス間の通信を仲介するHUB機能の追加、さらに、I2C規格の拡張版となる高速通信I3C規格への対応が求められています。
本日発売した新製品「S-34HTS08AB」は、DDR5向けSPDとして最新JEDEC(※1)仕様であるSPD5118に準拠し、HUB機能を搭載しました。また、I2CのみならずI3C通信規格に対応したことにより、動作速度が1MHzから12.5MHzまで向上し、外部コントローラとDIMMボード上のデバイス間の通信を適切に管理します。この特徴により、高度なデータ処理能力を実現しクライアントおよびサーバ向けのDDR5 DIMM用ICとして幅広くご使用いただけます。さらに、入出力の回路には当社の独自技術やノウハウ等を活用し、高速かつ安定した通信が出来るよう設計されているため、他社製周辺デバイスとの親和性が高く、フレキシブルな購買をご所望のお客様に貢献できる製品です。

今回の新製品「S-34HTS08AB」発売に際し、ABLIC社長の田中は以下のようにコメントしています。
「データ通信の進化のスピードはますます加速の一途をたどっていますが、このたび、昨今の通信環境下において大容量データ処理をサポートする新製品『S-34HTS08AB』を発売することができることを誇りに思っています。ABLICは、これからも持ち前の技術力で高機能かつ高品質な製品で世界中のお客様に貢献できるよう尽力してまいります。」

主な特長

1. I2C & I3C通信に対応したSPD HUB、JEDEC最新仕様に準拠

「S-34HTS08AB」は、3.3V/1MHz動作のI2C通信、1.0V/12.5MHz動作のI3C通信の双方に対応。JEDEC最新仕様SPD5118に準拠したSPD HUBであり、クライアントおよびサーバ向けのDDR5 DIMMに幅広くご使用いただけます。
従来のDDR4と同様の高信頼性EEPROM、高精度温度センシング機能に加えて、DDR5向けにHUB機能を搭載しています。温度センサ・SPDメモリの役割を担いつつ、外部コントローラとDIMMボード上のデバイス間の通信を適切に管理することにより、最適な通信システムを構築することが出来ます。

2. 周辺デバイスとの高い親和性を実現

「S-34HTS08AB」は、周辺デバイスと安定した通信が出来るように設計されており、周辺デバイスとの高い親和性を実現しました。サンプル製品提供による組み合わせ評価においても高評価を得ています。DIMMモジュール設計において他社周辺デバイスとの組み合わせが容易であり、フレキシブルな購買に貢献します。

3. ABLIC独自技術により入出力波形を適切に制御、高速・安定した通信に貢献

「S-34HTS08AB」は、入力回路・出力回路に通信波形を制御する回路を搭載。周辺デバイスとの高速かつ安定した通信に貢献します。
入力回路には入力波形の揺れに対して不感時間(揺れに反応しない時間)を設けることで、通信ノイズ対策を実現しました。フィルタリングによる通信の遅れを抑制します。
出力回路にはオーバーシュート・アンダーシュート抑制機能を搭載し、安定した出力波形を実現します。

入力回路
出力回路

主な仕様

• 電源電圧(VDDSPD): 1.70 V ~ 1.98 V
• 電源電圧(VDDIO): 0.95 V ~ 1.05 V
• 動作周波数(I2C通信): 1.0 MHz max.(I/O level = 3.3 V typ.)
• 動作周波数(I3C通信): 12.5 MHz max.(I/O level = 1.0 V typ.)
• 動作温度範囲: Ta = -40℃ ~ +125℃
• 動作温度範囲(NVM書き込み動作中): Ta = -40℃ ~ +95℃
• メモリ容量: 8 K-bit
• データ書き換え回数: 10^5 回/ワード(Ta = -40℃ ~ +95℃)
• 温度精度(Ta = +75℃ ~ +95℃): 0.5 ℃ typ.
• 温度精度(Ta = +40℃ ~ +125℃): 1.0 ℃ typ.
• 消費電流(メモリスタンバイ、温度センサアクティブ): 0.15 mA max.(VDDSPD = 1.8 V)
• 消費電流(メモリ読み出し、温度センサアクティブ): 2.0 mA max.(VDDSPD = 1.8 V)
• 消費電流(メモリ書き込み、温度センサアクティブ): 3.0 mA max.(VDDSPD = 1.8 V)
• パッケージ: DFN-8(2030)B
• Hub機能(※2)
• Packet Error Check(PEC)機能(※3)
• Parity Error Check 機能(※4)
• In Band Interrupt(IBI)機能(※5)
• Bus Reset 機能
• 鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー
  • (※1)JEDEC(JEDEC Solid State Technology Association)とは、半導体素子や半導体製品に関連する技術の標準化を推進するアメリカの業界団体。コンピュータのメインメモリに用いるDDR SDRAM規格の策定でよく知られる
  • (※2)外部コントローラとDIMMボード上のデバイスとの通信を中継する機能
  • (※3)専用の1byteコードを用いて、受信者が送信データに誤りが無いかを確認出来る機能
  • (※4)専用の1bitを用いて、受信者が送信データの1byteごとに誤りが無いかを確認出来る機能
  • (※5)エラーステータスを持つデバイスが、他の通信に割り込んで自ら通信を始める機能

用途例

用途例

  • Data center/server 向けDDR5 DIMM
    (RDIMM, LRDIMM, NVDIMM)
  • Client 向けDDR5 DIMM
    (SODIMM, UDIMM)

製品詳細

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Webサイト

https://www.ablic.com/新しいウィンドウで開く

お問い合わせ

報道関係のお問い合わせ エイブリック株式会社 コーポレート コミュニケーション
Phone: 03-5877-2011
E-mail: pr@ablic.com
一般のお問い合わせ エイブリック株式会社 販売代理店
https://www.ablic.com/jp/semicon/sales/distributors/新しいウィンドウで開く
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