2023年

2023年3月22日

ミネベアミツミ株式会社

業界最速(※1)の電圧検出応答速度と低消費電流を両立
車載用高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-19114シリーズ」発売

~ システムの安全性向上とコストダウンに貢献 ~

システムの安全性向上とコストダウンに貢献
ロゴ:ミネベアミツミグループ「グリーンプロダクツ」製品

ミネベアミツミグループ
「グリーンプロダクツ」
製品

ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:石合 信正、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、業界最速(※1)の電圧検出応答速度の車載用高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-19114シリーズ」の販売を開始しました。
バッテリーモニタリングICとは、バッテリー電圧を監視する目的で用いられ、ICで設定された電圧に達したことを監視し検出信号を出力するICです。

自動車業界では、交通事故を未然に防止するために自動車部品の品質向上を図ると同時に、万が一故障が発生した時の影響を低減させる機能安全(※2)への取り組みが進んでいます。
自動車には様々な安全機構が施されていますが、その一例として、ECU(※3)に電圧を供給するバッテリーの遮断時の対策があげられます。バッテリーからの電源供給が遮断されるとECUに供給される電圧が低下しますが、電圧低下を検出してからECUが安全にリセットをおこなうために一定の時間を確保する必要があり、一般的には、コンデンサをECUの入力に搭載することで対応しています。また、コンデンサの設定においては、バッテリーモニタリングICが検出信号を送信する間もECUに供給される電圧が下がるため、この時間も含めてECUが安全にリセットをおこなうための時間を考慮することが必要となります。
近年は自動車機能の高度化などに伴いECUの統合が進み、ECUに供給する電流が増加傾向となるため、コンデンサも増える傾向にあり、コストや基板の専有面積が増えるという課題が生じます。ECUの安全なリセットを保ちながら、コンデンサの数を抑制するためには、バッテリーモニタリングICの検出応答時間を速くすることが求められています。

本日発売した「S-19114シリーズ」は、36V動作で、業界最速の検出応答時間となるMax. 10μs(※4)を実現したバッテリーモニタリングICです。検出応答時間に影響を与える成分は、IC内部の抵抗成分と容量成分の2つがありますが、「S-19114シリーズ」は、抵抗成分は従来製品と比べて1/5以下、容量成分は従来製品よりも減らすことで検出応答時間を1/20に抑えました。これらの特長により、ECUに搭載されるコンデンサの増加に伴うコスト負担増や基板面積増加といった課題の解決に貢献します。

また、バッテリーモニタリングICは、バッテリーの電圧監視を常時おこなっているため低消費電流も求められますが、「S-19114シリーズ」は、検出応答時間に影響を与える抵抗成分と容量成分を抑え、なおかつ、動作時消費電流を2.0μA typ.と低消費電流も実現しました。そのため、常時センシングが必要なシステムの低暗電流(※5)化に最適です。
さらに、「S-19114シリーズ」は、超小型のHSNT-6(2025) (1.96×2.46×t0.5mm)パッケージを採用し、省スペース化が進む今の車載用機器のニーズに応える製品となっています。

  • (※1)36V動作のバッテリーモニタリングICとして。2023年3月時点 当社調べによる
  • (※2)機能安全:機能的な工夫を組み込み、許容できるレベルの安全性を確保すること
    参照新しいウィンドウで開く
  • (※3)ECU:Electronic Control Unitの略。電子回路を用いてシステムを制御する装置(ユニット)の総称。主に自動車に搭載されるものを指す。現在では大半にマイクロコントローラー(マイコン)が搭載されている
  • (※4)当社従来製品と比較して1/20に短縮
  • (※5)暗電流:イグニッションOFFの状態でも流れる待機電流

主な特長

  1. 電圧検出応答時間が短く、且つ低消費電流を実現
    業界最速(※1)の電圧検出応答時間を実現し、かつ、消費電流2.0μAで実現しました。
    電圧検出応答時間の短縮により、バッテリー電圧の電圧低下を逸早く監視をおこないマイコンへ検出信号を出力することでシステムの安全性向上に貢献します。更に、ECUの入力に接続されるコンデンサの削減も可能となりコストダウンに貢献します。また、動作時消費電流2.0μAに抑えることで、システム全体の低暗電流化に貢献します。
  2. 超小型パッケージにより省面積化が可能
    車載用小型パッケージHSNT-6(2025)(1.96mm×2.46mm×t0.5mm)に搭載することで、従来製品よりも約20%の省面積化を実現しました。
  3. 監視電圧を入力するSENSE端子は広範囲電圧-30Vから45Vまで入力可能
    SENSE端子は逆接続保護ダイオードを内蔵しているため、負電圧印加が可能です。逆流保護ダイオード前への接続が可能になりバッテリー電圧を直接監視できるため、更なる高精度監視へ貢献します。
  4. 車載品質
    三温度テスト(低温、常温、高温)を実施しています。AEC(Automotive Electronics Council:車載電子部品評議会)による各種の信頼性・品質評価試験である「AEC-Q100」に対応予定です。また、PPAP(生産部品承認プロセス)にも対応可能です。自動車の過酷な環境での使用が可能です。

主な仕様

  • 動作電圧範囲:3.0V~36.0V
  • 電圧検出範囲:4.0V~12.0V
  • 検出電圧精度:±1.5%(Ta=-40℃~+125℃)
  • ヒステリシス幅:0%、2%、5%、10%から選択可能
  • 動作時消費電流:2.0µA typ.
  • 検出応答時間:10μs max.(S-19114シリーズL/M/N/Rタイプ)
    検出応答時間:25μs max.(S-19114シリーズP/Q/S/Tタイプ)
  • 解除遅延時間:10ms typ.(CD=3.3nF)
  • 動作温度:Ta=-40~+125℃
  • パッケージ:SOT-23-5、HSNT-6(2025)
  • AEC-Q100対応予定
  • PPAP対応可能

用途例

車載バッテリー電圧検出
車載用(エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV/HEV/PHEV関連機器等)

製品詳細

Webサイト

https://www.ablic.com/新しいウィンドウで開く

お問い合わせ

この件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

報道関係のお問い合わせ エイブリック株式会社 コーポレート コミュニケーション
Phone: 03-5877-2011
E-mail: pr@ablic.com
一般のお問い合わせ エイブリック株式会社 販売代理店
https://www.ablic.com/jp/semicon/sales/distributors/新しいウィンドウで開く
ミネベアミツミ株式会社およびミネベアミツミグループ各社の、おもなニュースリリースを掲載しています。
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。製品または商品の仕様変更・販売終了等により、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

プレスリリース一覧 に戻る

ページの先頭へ戻る

Follow Us

Twitter Youtube