CFOメッセージ

更新日: 2021年9月30日

画像:取締役専務執行役員 吉田 勝彦 - 成長性、収益性、安全性のすべてにこだわり続け企業価値のさらなる向上を実現してまいります

当社は今年、設立70周年、上場60周年という節目を迎えることができました。その間、当社は数々の逆境を乗り越えてまいりましたが、これからも乗り越えていくためのレジリエンスを維持していくためには、M&Aや設備投資を迅速に実行していくことができる財務体質を維持、強化していくことが不可欠です。
私はその責任者として、内部で設定している各種の財務規律を守りながら、収益性やキャッシュ・フロー、投資効率などを適切に管理し、最適なキャッシュアロケーションを実現すると同時に、投資家の皆様にもご満足いただける株主還元を実施してまいります。またそれらを確実に実現するため、財務戦略と資本政策を明確に設定し、さらにEPS成長や資本効率の最大化も意識していくことによって企業価値の向上に取り組んでまいります。
これらを通して、財務面からも「世界最強の相合精密部品メーカー」となることを目指します。

画像:売上高2.5兆円、営業利益2,500億円達成に向けた主要指標

当社を取り巻く市場環境は、新型コロナウイルス感染拡大により輸出および消費が大幅に減少したものの、米国や中国向けの輸出の回復を背景に最悪期は脱しました。しかしながら、依然として先行きが不透明な状況が続いています。このような経営環境下で、当社グループは収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発および拡販活動に注力してまいりました。
その結果、2021年3月期の売上高は前期比1.0%増の9,884億円となり創業以来の過去最高を更新しました。一方、世界景気減速に加え、円高影響、エイブリック統合関連費用やその他の一時的な費用が発生した結果、営業利益は同12.8%減の512億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同15.7%減の388億円といずれも前期比で減益となりました。
2022年3月期は、過去最高益の更新と目標である営業利益1,000億円の土台をつくる年度として位置付けています。業績見通しについては、売上高は1兆円、営業利益は800億円の計画です(2021年5月時点)。主力事業である3本槍+1(ベアリング/モーター/アナログ半導体/OIS*)の収益力が一段と向上しており、当社の持続的で力強い成長をけん引していきます。なお、昨年度に発生したコロナ感染症関連費用やその他の一時的な費用が解消されることも、今期の増益要因の一つとなっています。

* OIS:スマートフォン用カメラの手振れ防止に使用される部品

画像:中期事業計画 数値目標 コア事業のうちの3本槍(ベアリング/モーター/アナログ半導体)およびOISを中心に、中長期で大幅な増収増益を見込んでいます。これら事業の安定的な成長が、グループ全体の収益力のさらなる向上とともに業績ボラティリティの低減にも貢献しています。
中期事業計画の最終年度である2024年3月期の目標は売上高1兆2,000億円、営業利益1,150億円としており、営業利益については3年間で倍増の成長を見込んでいます。

財務戦略

画像:ネット有利子負債/フリーキャッシュ・フローの推移当社グループは、「財務体質の強化」を基本方針として、効率的な設備投資、資産運用および有利子負債の削減等に取り組んできました。高収益のコア事業への比重を高めるポートフォリオ改革や実効性の高いM&Aを実現し、適切かつ機動的に財務戦略を実行してきました。
2019年3月期および2020年3月期においては、それぞれユーシン、エイブリックのM&Aに伴い一時的にネット有利子負債が増加いたしました。2022年3月期からは全社的な収益力の回復と効果的なPMIによりキャッシュ創出力は新型コロナウイルスが拡大する以前の水準をも上回ることを予想しています。これにより、財務基盤は一層強固になる見込みです。
今後は新型コロナウイルスの脅威を乗り越えたポストパンデミックを見据え、高いキャッシュ創出力をいかしたグローバル規模でのM&Aや新たな事業機会の獲得に一層注力してまいります。8本槍のさらなる強靭化により成長性と収益性を高め、キャッシュ・フローの最大化をはかり、財務体質をより一層強化するとともに、新たな槍の獲得に向けた実効性の高いM&Aの実現と株主還元の充実へ機動的なアロケーションを実行してまいります。

キャッシュアロケーション

創出した営業キャッシュ・フローは、オーガニック成長の原資として研究開発や設備投資に優先的に充当する予定です。またネットD/Eレシオ0.2倍の範囲という財務規律の維持を前提に、フリーキャッシュ・フローの50%と借入金を用いて、実効性のあるM&Aの実施も検討してまいります。
このような方針のもと、2021年3月期の設備投資は455億円、研究開発費は322億円(対売上高3.3%)となりました。2022年3月期計画については、設備投資はタイの多目的工場建設等により650億円、研究開発費は320億円(同3.2%)としています。

画像:キャッシュ創出力を背景とした資本配分 / フリーキャッシュ・フロー(M&Aを除く) の推移と株主還元実績

株主還元

画像:ネット有利子負債/フリーキャッシュ・フローの推移 株主の皆様への利益還元を強化する方針のもと、年間配当金については、原則として「連結配当性向20%程度を目処」とし継続して安定的な配当を目指しています。2021年3月期は、設立70周年の記念配当として株主の皆様に還元することとしました。1株当たり年間配当金は、記念配当金8円を加えて36円(前期比8円増)としました。
2022年3月期の株主還元については、フリーキャッシュ・フロー(M&Aを除く)510億円を前提として、配当と自社株買い等の実施も含め、継続的に安定した利益配分を維持しながら、株主資本の効率向上と株主へのより良い利益配分を第一義とし、さらには当社の財務状況、株式市場の動向等を勘案して、適切かつ機動的な財務戦略を進めていきたいと考えています。

画像:格付投資情報センター(R&I) A / 日本格付研究所(JCR)A+

株主の皆様へ継続的な利益還元をおこなうためには、財務基盤の安定性確保が最重要事項と考えています。格付については、2つの格付機関から次の通り高い評価を受けています。
親会社所有者帰属持分比率については、短期的にはM&Aの実施状況により変動する可能性がありますが、中長期的には50%以上を維持し、財務基盤の安定化を目指します。

当社グループは、投資判断における最低限のハードル・レートを設定したうえで事業ごとの資本コストを把握し、適切な財務戦略を実行することで資本効率の向上に取り組んでいます。主要KPIとしてはEPSのCAGR(年平均成長率)15%以上の達成とROE15%以上の維持を掲げています。また、売上高2.5兆円、営業利益2,500億円を達成するための支えとして、当社ではROICを用いた指標をもとに、目標とする資本コストを収益力が上回るか否か、事業別の現状と見通しを検証し、研究開発・M&A・事業撤退を適切に判断しています。
事業別での収益性改善に向けた取り組み手法としては、ROIC逆ツリーを用いて利益率改善と投下資本の削減に取り組み、事業ポートフォリオの収益力強化と全社ベースでの投下資本の最適化を同時に実現してまいりました。
2021年3月期においては、第1四半期において新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響を強く受けROICは一時的に低下しましたが、事業ポートフォリオの収益力強化と全社ベースでの投下資本の最適化を推進したことにより、第2四半期以降で改善に向かいました。
今後もコーポレートガバナンス・コードが求める持続的成長と中長期的な企業価値の向上への取り組みに沿った事業戦略策定と事業運営を目指し、ハードル・レートを上回るROEとROICの持続的な実現と資本コストの低減に向けたリスクマネジメントの実践、および製品競争力強化を支える財務戦略を実現することで企業価値向上を実現してまいります。

画像:ROIC の推移

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