ミネベアミツミの超精密機械加工技術・大量生産の原点
超精密な一粒が世界のものづくりを支える

機械加工品

ボールベアリング

私たちの身の回りにある動く機械には、必ずと言っていいほどベアリングが使われているということはご存知でしょうか。特に、ミニチュア・小径ボールベアリングは動く機械には欠かせない部品であり、「産業の米」と称されるほど重要な製品です。ミネベアミツミの超精密機械加工技術と大量生産能力は、このミニチュア・小径ボールベアリングの開発・製造工程によって磨き抜かれてきました。ミネベアミツミはこのミニチュア・小径ボールベアリングの世界市場でトップシェアを誇り、世界のものづくりを支えています。

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ベアリングの精度は機械の精度に直結する

動く機械には必ず回転している軸があります。この軸の回転をサポートするのがベアリングです。ベアリングは軸受けとも呼ばれ、さまざまな種類がありますが、ミネベアミツミが得意としているのが外径22mm以下のミニチュア・小径ボールベアリングです。ボールベアリングは、回転する軸を摩擦の少ないボールの回転によってスムーズにし、運動エネルギーを効率よく各所に伝える部品です。これにより、機械の省エネ化や長寿命化、故障の軽減に寄与しています。ベアリングの精度はそのまま機械の精度に直結するのです。

外輪と内輪の間にあるボールが回転することで、摩擦力を軽減し、少ないエネルギーでスムーズに軸を回すことができる
軸と外輪の間にボールがない場合、摩擦によって軸を回すのに余分なエネルギーがかかる

ボールベアリングの基本的な
仕組み

ボールベアリングのパーツは外輪・内輪、リテイナー、ボールの4つで構成されています。外輪・内輪が回転運動を支え、ボールは回転による摩擦力を軽減し、リテイナーはそのボールを固定する役割を担っています。さらに、よりスムーズに動かすための潤滑剤を封入し、それが漏れるのを防ぐためにシールド加工を施します。

ボールベアリングの基本的な構成


オフィスなどで使われる複合機には多くのベアリングが使われており、精密で安定した動きと高い耐久性が要求される

機械の小型化により、ニーズが高まるミニチュア・小径ボールベアリング

ベアリングはプリンタや掃除機などの家電から自動車、医療器具など、動く製品には必ず使用されており、ベアリングがなければ機械を動かすことはできないと言っても過言ではありません。さらに近年は機械の小型化が進み、より小さく、より精度の高いベアリングのニーズが高まっています。ミネベアミツミの超精密機械加工技術が生み出すミニチュア・小径ボールベアリングは、世界のものづくりに大きく貢献しています。

超精密へのこだわりが生み出した
超高精度なミネベアミツミのボールベアリング

1951年、日本初のミニチュアボールベアリング専門メーカーとして産声を上げたミネベアミツミは、今日に至るまでベアリングにこだわり続けてきました。ほんの数十mmの小さな部品ですが、そこにはミネベアミツミの半世紀以上に渡る技術とノウハウが集約されています。

外径わずか1.5mm
世界最小のボールベアリング

ミネベアミツミの超精密への情熱が実現した、量産可能な世界最小のスチール製ボールベアリング。極小でありながら、その精度や性能は他のベアリングと同等です。このベアリングは日本最高峰の機械式腕時計のパーツとして採用されており、今後さまざまな分野や製品への用途拡大が期待できます。

プレスリリース ミネベア 外径1.5mmボールベアリングが、世界最小の量産可能なスチール製ボールベアリングとしてギネス世界記録™に認定されました

外径1.5mmの極小サイズのボールベアリングは、
今後さまざまな用途への利用が期待される

ベアリングの精密な動きを支えるボール。
徹底的に研磨し、摩擦抵抗を極限まで抑える

ナノレベルの極小単位で研磨
超精密を生み出す超高精度なボール

ベアリングの滑らかな回転運動はボールの精度に左右されます。一見、滑らかに見えるボールも顕微鏡で見れば、その表面には凹凸があります。摩擦抵抗を極限まで抑えるために、ミネベアミツミは表面粗さ(Ra)ナノレベルという極小単位で研磨された超高精度なボールをベアリングに採用しています。

ボールベアリングの開発・製造で培われたノウハウが
超精密機械加工技術と大量生産を実現

ミネベアミツミの「超精密機械加工技術」と並ぶ、もうひとつの強み。それは「大量生産」です。どんなに高い精度な製品が作れても、安定して市場に供給できなくては、ものづくりの現場を支えることはできません。特に、一台の機械に多数使われることの多い産業の米、ボールベアリングは大量生産できることが必須。ミネベアミツミの超精密機械加工技術と大量生産はボールベアリングの開発・製造で培われたのです。

外販目標は月間1億8千万個!
宇宙にまで達する驚異的な大量生産能力

2016年3月時点でミネベアミツミが外販目標としているボールベアリングの数はなんと月間1億8千万個。ボールベアリングの外径を22mmとした場合、これを積み上げるとその高さはおよそ3,960km。この高さは地球を超え、はるか上空の宇宙にまで達します。世界のものづくりの現場へボールベアリングを届けることができる、この驚異的な大量生産体制がミネベアミツミの大きな強みのひとつです。


超精密機械加工と大量生産を両立させる内製文化と
垂直統合生産システム

ミネベアミツミでは垂直統合生産システムにより、設計・開発から組立・検査まで社内ですべて行う

ボールベアリングを超精密に加工し、大量に生産する体制作りに欠かせなかったのが、部品レベル・生産設備レベルでの改善でした。通常、製品を作るときは外部からさまざまな部品を購入しますが、ミネベアミツミでは構成部品の精度を追求するために部品そのものを内製化。また、それを効率よく量産するために購入した生産設備や治具を独自に改良し、工夫を加えました。そんな試行錯誤の中、育まれたのがミネベアミツミの内製文化であり、開発から製造、検査まで一気通貫で行う垂直統合生産システムでした。

生産システムには色々な手法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ミネベアミツミがこのシステムを導入したのは超精密にこだわりぬくため、そしてベアリングメーカーとして安定して製品を供給するため。設計・開発から各部品の製造、それを作るための治具・工具の制作、部品の組み立てに至るまで、自社ですべて行うからこそ実現できた超精密機械加工と大量生産。ボールベアリング製造のすべての工程にミネベアミツミの超精密への情熱が息づいています。

ミネベアミツミの垂直統合生産システムが実現する高い競争力


海外拠点・他事業にシステムを展開
グローバル化・事業多角化を加速

ボールベアリングで確立したこのシステムは、海外展開に大きく貢献しました。ミネベアミツミではマザー工場である軽井沢工場と同じ設備を各拠点に導入。これにより、軽井沢工場で研修を受けた現地の社員が帰国してもスムーズに作業ができたり、軽井沢工場で改善された施策をすぐに海外拠点に展開することができたりと、海外拠点は国内をサポートする工場ではなく、ミネベアミツミの大量生産体制を支える、独立した主要な拠点として確立することができました。
また、ボールベアリングの開発・製造で培ったシステムを他事業にも展開し、ボールベアリング以外の製品の開発・製造にも大きく貢献。そのノウハウは今日における、ミネベアミツミのグローバル化と事業多角化の大きな原動力となりました。ミネベアミツミがこだわりぬいた超精密な一粒は、自社の超精密機械加工技術と大量生産という大きな強みを育み、同時に世界のものづくりの現場をこれからも支え続けていきます。


インタビュー:超精密のその先へ 密なコミュニケーションが実現するミネベアミツミの強み - ボールベアリング事業部 軽井沢工場

「ミネベアミツミの製品なら間違いない」私たちはミニチュア・小径ボールベアリングの加工において、世界でもトップクラスの技術とノウハウを持っていますが、単に精度を突き詰めるということだけではこのような評価をいただくことはできません。例えば、製品に何か不具合があった場合に、金属組織・組成レベルで解析し、迅速に対策することができます。それは部品を内製し、その素材にまでこだわりぬいているからこそ実現できる私たちの強み。単に精密なだけでなく、お客様の用途に合った製品を適確に提案し、それを安定して供給し、納品後も責任を持って対応できるからこそ、この分野において確固たるポジションを獲得することができたのです。
それを実現している要素のひとつがコミュニケーションです。設計から加工、組立、検査に至るすべての工程において、部署間の意思疎通は欠かせません。海外拠点にも頻繁に足を運びますので、現地社員との距離感も非常に近く、国内を移動するよりもタイに行く方が近いと感じるほどです。コミュニケーションを密に取るからこそ、各工程において無駄なく効率的に開発・製造ができ、高品質な製品を安定して供給することができるのです。ミニチュア・小径ボールベアリングはミネベアミツミの屋台骨であり、今のミネベアミツミの原点でもあります。これからも、私たちはこの屋台骨を支え、ミネベアミツミの強みを体現する存在であり続けます。


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