決算サマリー
更新日: 2025年5月12日
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の概況
2025年3月期のわが国の経済は、インバウンド需要及び設備投資が堅調に推移し、景気は緩やかな回復が継続しました。米国経済は、関税発動を見越した駆け込み需要を背景とし、自動車をはじめとした国内の生産活動が拡大したものの、関税引き上げに起因する先行きの不透明感が個人消費を下押しし、景気は軟調に推移しました。欧州では、米国での関税引き上げ懸念に備えて米国向けの輸出が一時的に増加したものの、中国向けの輸出が引き続き低迷し、景気の先行きは不透明です。中国経済は、政府の補助金政策に起因した内需及び設備投資が好調となり、米国の関税引き上げに備えた駆け込み需要で輸出が増加しましたが一時的であり、景気の先行きは不透明です。東南アジアにおいては、引き続き輸出が堅調を維持し内需も増加したことで、景気は底堅く推移しました。
当社グループは、かかる経営環境下で収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してきました。
この結果、売上高は1兆5,227億300万円と前年同期に比べ1,205億7,600万円(8.6%)の増収となりました。営業利益は944億8,200万円と前年同期に比べ209億4,600万円(28.5%)の増益、税引前利益は826億900万円と前年同期に比べ70億6,400万円(9.4%)の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は594億5,700万円と前年同期に比べ54億2,200万円(10.0%)の増益となりました。
上記には、2024年5月2日に取得したミネベアパワーデバイス株式会社(旧株式会社日立パワーデバイス)の損益が含まれています。
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)のセグメント別業績
セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。
なお、2025年3月期第1四半期より、「セミコンダクタ&エレクトロニクス事業」及び「アクセスソリューションズ事業」と「調整額」で一部区分を変更しています。前期のセグメント情報は、会社組織変更後の区分に基づき作成したものを開示しています。
プレシジョンテクノロジーズ事業
プレシジョンテクノロジーズ事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品です。
主力製品であるボールベアリングは、データセンター向けのサーバー需要が堅調なことからファンモーター向けが好調に推移したことにより、売上高は増加しました。また、ピボットアッセンブリーは、HDD向けの需要が堅調に推移したことにより、売上高が増加しました。ロッドエンドベアリングは、航空機関連の需要増により、売上高が増加しました。
この結果、2025年3月期通期の売上高は2,557億200万円と前年同期に比べ442億9,600万円(21.0%)の増収となり、営業利益は556億9,600万円と前年同期に比べ176億6,100万円(46.4%)の増益となりました。
モーター・ライティング&センシング事業
モーター・ライティング&センシング事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、ファンモーター、車載モーター及び特殊機器が主な製品です。
主にHDD用スピンドルモーターの需要が堅調に推移したことにより、売上高は増加しました。
この結果、2025年3月期通期の売上高は4,077億4,300万円と前年同期に比べ383億5,500万円(10.4%)の増収となり、営業利益は229億8,400万円と前年同期に比べ111億1,700万円(93.7%)の増益となりました。
セミコンダクタ&エレクトロニクス事業
セミコンダクタ&エレクトロニクス事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品及びスマート製品が主な製品です。
機構部品の販売が減少しましたが、ミネベアパワーデバイス株式会社の取得に伴い、売上高は増加しました。
この結果、2025年3月期通期の売上高は5,276億4,600万円と前年同期に比べ329億2,900万円(6.7%)の増収となり、営業利益は220億300万円と前年同期に比べ135億1,900万円(△38.0%)の減益となりました。
アクセスソリューションズ事業
アクセスソリューションズ事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品が主な製品です。
車載アンテナの需要が増加したことにより、売上高は増加しました。
この結果、2025年3月期通期の売上高は3,280億8,100万円と前年同期に比べ59億7,300万円(1.9%)の増収となり、営業利益は159億2,400万円と前年同期に比べ52億9,900万円(49.9%)の増益となりました。
その他事業
その他の事業は、ソフトウエアの設計、開発及び自社製機械が主な製品です。
2025年3月期通期の売上高は35億3,100万円と前年同期に比べ9億7,700万円(△21.7%)の減収、営業損失は11億9,400万円と前年同期に比べ4億6,600万円の悪化となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等209億3,100万円を調整額として表示しております。前年同期の調整額は217億8,500万円でした。
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の財政状態に関する分析
資産、負債及び純資産の状況
2025年3月期末における総資産は1兆5,848億1,400万円となり、前期末に比べ1,686億9,200万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び現金同等物、棚卸資産、有形固定資産の増加です。
負債は8,301億8,900万円となり、前期末に比べ1,297億9,100万円の増加となりました。その主な要因は、社債及び借入金、営業債務及びその他の債務の増加です。
なお、資本は7,546億2,500万円となり、親会社所有者帰属持分比率は46.9%と前連結会計年度末比2.8ポイント減少しました。
キャッシュ・フローの状況
2025年3月期末における現金及び現金同等物の残高は2,142億5,600万円となり、前期末に比べ675億9,200万円増加しました。
各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,336億7,200万円の収入(前期は1,017億5,900万円の収入)となりました。これは、主に税引前利益、減価償却費及び償却費、棚卸資産の増減、営業債権及びその他の債権の増減によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,257億7,200万円の支出(前期は762億9,900万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が発生したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、639億9,600万円の収入(前期は302億800万円の支出)となりました。これは、主に長期借入れによる収入、短期借入金の増加によるものです。
2025年5月9日に発表しました「2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)決算短信」に掲載した情報を基に作成しています。