2011年

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画像:省エネモーターで社会に貢献したい

(2011年9月掲載)

省エネモーターの分野でチャンピオンになる

地球環境問題やエネルギー問題の深刻化に伴い、社会全体にとっての喫緊の課題の一つとなっている省エネルギー。2009年5月、小型省エネルギーモーター向けの磁石開発においてミネベアにとって初めてのプロジェクトとなるNEDO(コラム参照)採択事業がスタートした。

自動車向けや、家庭用電気製品向けを含め、大小さまざまな種類があるモーターは、わたしたちの身の回りにある、ありとあらゆる機器に用いられている。現在では、世界全体で年間約90億個を超えるモーターが普及し続け、多様な場所や用途で利用されており、国内で消費される電力の約57%はモーター稼働によるものとも言われている。国内で稼働しているモーターの効率を1%高めると、その省エネ効果は原子力発電所1基分に相当すると言われており、地球温暖化問題やエネルギー問題の解決に多大な効果がある分野として注目されている。そしてその鍵を握るのが、モーターの性能を決定する部品である「磁石」だ。磁石の磁力を上げることはモーターの性能を強化することにつながる。

「磁石を用いたモーターは1960年代ごろから使われていますが、とにかく『馬力のあるもの』が求められていた当時と違って、近年は小型で長寿命、そして高効率と、環境負荷の低い製品へのニーズが高まってきています。そうした流れの中で、自分たちの立場から何ができるのか、何をしなければならないのかと考えたときに出てきたアイデアが、小型の省エネモーター向け磁石の開発だったのです。同じ仕事をするなら、やはり世の中の役に立つ仕事をしたいですから」。プロジェクトの発案者である山下文敏は今回のプロジェクトのきっかけをこう話した。

当然、ただ磁石の磁力だけを強くすれば、省エネモーターになるというわけではない。強い磁石を使えば使うほどそのモーターは「使いにくい」ものになってしまうからだ。磁力が強くなることで、磁力がトルク(軸が回る力)として伝わる際、強すぎる力が振動として現れてしまい、騒音がひどくなってしまったり、逆にエネルギー効率の悪いモーターになってしまう。強い磁力を効率よくトルクとして軸に伝えるためには、磁石表面の磁束(磁石から出る磁気の流れ)を調整し、その力を複雑に制御する必要があった。こうした磁束の制御が省エネモーターの実用化への大きな壁として立ちはだかっていた。

画像:「業界一の技術力でやれるはずだと確信していた」と話す山下 「いくら効率が高くても、騒音がひどければそれは優れた製品とは言えません。わたしたち企業の研究開発では、最終的に製品を使うお客様に至るまでのニーズを把握する必要があります。しかし、逆に言えばそれこそが、磁石専業のメーカーではなく『モーターのことを知り尽くした上で磁石開発に取り組んでいる』我が社の強みなのです。この分野では間違いなく業界一の技術力があると自負していますし、やれるはずだと確信していました」。(山下)

こうして磁石開発のプロジェクトがスタートする。発案より3年間、山下は一人でそのすべての業務を担い研究を進めた。どうにか開発の成功する確率が50%ぐらいまでは見込めるようになってきた2009年1月、山下はNEDOの「イノベーション実用化助成事業」への申請に踏み切った。倍率は高く、何よりミネベアとして初めての申請だった。

「NEDOに採択されれば、助成や、大学からの援助を受けられ、開発の効率を高めることができます。これからの社会に必要な研究だと確信していたし、早く市場に製品を出すということが、ビジネスとしても、社会への貢献としても重要です。この分野でチャンピオンになるつもりでいました」。(山下)

2009年3月、研究の革新性と意義が評価され、無事NEDO採択事業としての決定が下される。山下の研究者としての想いが、大きなチャンスをもたらした瞬間だった。

コラム 「NEDOとは?」

画像:NEDO New Energy and Industrial TechnologyDevelopment Organization

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

「エネルギー・地球環境問題の解決」と「産業技術の国際競争力の強化」をミッションに掲げる、経済産業省所管の独立行政法人。

事業の柱となっているのは、産学官の連携による、新エネルギーや省エネルギー技術の開発・普及に関する研究の推進。研究開発の実務自体は民間の研究機関に委託する形を取っており、公募を通じて選定された研究開発事業に対する資金助成などを行う。

民間企業だけではリスクが高く、踏み込みづらい先進的な技術開発の分野では、NEDOの事業として採択されることで、資金面で助成を受けられるほか、大学との連携による研究開発の効率化が可能になる。このような産学官の連携により、革新的な技術の迅速な実用化と普及を目指す。

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