女性社員の目から見たミネベアミツミはどのような会社なのだろうか。職場の雰囲気や海外での経験、そして育児と仕事との両立などについて、女性社員3人にホンネで語ってもらった。

Profile

  • M.S 品質管理

    2005年入社
    理学部物理科学科 金属物性専攻 卒業

    浜松工場 電子デバイス部品事業部。分析業務を経て、2017年にジョブローテーション制度を利用。現在はバックライト部品の品質管理を担当する。2011年に出産し復職。

  • M.N 開発

    2001年入社
    工学部電気工学科 卒業

    技術開発部門 製品開発Div.。入社以来開発部門に所属し、新規製品開発に携わる。2人の子どもの妊娠・出産を経て復職し、現在は時短勤務制度を利用しながらMEMSミラー開発を担当。

  • J.H 営業

    2012年入社
    文学部中国語学科 卒業

    国内営業部門 国内営業部。入社後は液晶バックライトの営業担当し、2015年に台湾に駐在。3年間の海外勤務の後、現在はOA業界向けに、ベアリングやモーターなどOA機器部品の営業に携わる。

Talk.1 入社理由と仕事環境

女性エンジニアは上手に周囲を巻き込める?

入社を決めた理由について教えてください

M.N:同じ研究室の女性の先輩が当社に就職していたので、女性技術者への門戸が開いている会社だと思ったことがきっかけです。ミネベアミツミの社名は初めて知ったのですが、身近な製品の多くに部品が使われていると知り、志望度が一気に上がりました。当時はITバブルでソフトウェア業界の求人も多かったのですが「ものづくりがしたい!」という強い気持ちがあったので、部品メーカーを対象に就職活動をしていました。

M.S:私も部品メーカーを中心に就職活動をしました。わりと物事を突き詰めて考えたいタイプなので、最終製品のメーカーに行っても結局は部品のほうが気になってしまうだろうな、と(笑) 面接の時の雰囲気も柔らかかったので、「ここなら自分らしく働けそう」と感じたのが決め手になりました。

J.H:私の場合は「海外で仕事ができそう」というのが大きな理由でした。ミネベアミツミは製造比率も販売比率も海外の割合が高く、多くの社員に海外勤務の経験があります。営業を志望したのも、文系の自分でも海外勤務のチャンスがありそうだから。実際に入社3年目で台湾駐在を経験しました。

M.S:男性の比率が高い技術部門から見ると、営業部門は女性が多いイメージがありますが、実際はどうですか?

J.H:内勤のカスタマーサービスはほぼ女性ですが、外勤営業となると当社に限らずまだ女性は少ないですね。そのぶんお客様に顔を覚えていただきやすいので、仕事上はプラスかなと感じます。営業はまずそこをクリアするのがスタートラインですので。

M.N:確かに社内でも覚えてもらいやすいかも。良くも悪くも目立つのでしょうけど(笑)。プラスに働くと言えば、特に理系では女性のほうがコミュニケーション能力に長けている印象があります。上手に周囲を巻き込めるというか。事業部ではどうですか?

M.S:わかります。ざっくりと言えば、男性エンジニアは狭く深く専門性を追究していく傾向がある気がします。それは強みでもありますが、仕事は一人では完結できません。頭の中で考えていることを、上手く人に伝えられたほうが、成果につながりやすいですよね。その点では女性のコミュニケーション能力はエンジニアとして強みにもなる、と言えるかもしれません。

Talk.2 海外勤務・海外出張

海外への機会は多い。語学で尻込みしないで

海外勤務や海外出張の経験について聞かせてください。

J.H:私は3年間、台湾で勤務していました。学生時代に中国語を専攻していたので、赴任後すぐに商談や顧客折衝を任されました。

M.N:日本での営業と比べてどうでしたか?

J.H:台湾の営業スタイルでは、日本とは違ってお客様とはとてもフレンドリーな関係です。アポなしで会いに行ったり、ランチタイムに談笑しながら商談をすることもよくありました。台湾の上司からは「そのままのやり方で日本に帰らないように」と言われました(笑)

M.S:最初のころは戸惑いはありませんでしたか?

J.H:そうですね。フレンドリーな一方で、価格や品質への要求も遠慮なく直球で来ますので、日本人同士の商談よりもシビアかもしれません。ですが、現地では営業担当者の裁量が大きく、工場と相談のうえで自分の判断で話をまとめられることも多くありました。日本にいるときより忙しい毎日でしたが、学びや成長の機会に恵まれましたし、なにより楽しかったですね。

M.N:国によって仕事の取り組み方は違いますね。私も海外のメーカーと仕事をしたときに感じました。当時開発中だった製品に使用する部品のカスタマイズをお願いしたときですが、ドイツ人は職人気質で、こちらの足りない部分をフォローしてくれたこともありました。反対に、アメリカのメーカーはドライで、「自分たちの担当はここまで」という範囲が明確。こんなに違うのかと驚きました。

M.S:私はこの1年間で8回くらいタイに出張しています。タイ工場で新製品の生産ライン立ち上げに奔走しているところです。本来の仕事は品質管理なのですが、お客様との窓口として、製造工程の問題解析や生産性向上の提案なども担当しています。

M.N:現地とのコミュニケーションにも苦労しそうですね。やりとりは英語ですか?

M.S:英語、日本語、タイ語が入り乱れて、もうそれ自体が独自の言語になっているようです。とにかく通じればいいという感じ(笑) エンジニア同士であれば、技術用語や図だけでも大方コミュニケーションが取れます。まさに習うより慣れろで、何とかなるものだなと思いました。

M.N:わかります。ドイツのメーカーとは毎週電話会議があって、最初は英語でのやり取りに四苦八苦でしたけど、数をこなすうちに通じるようになっていました。必ずしも語学が堪能である必要はありませんが、「何とかコミュニケーションする」というマインドは、当社で働く上で求められるものの一つかもしれませんね。

J.H:確かに。でも「英語は苦手なので」と尻込みして欲しくはないですよね。海外に少しでも興味があるなら、もったいないです。

M.S:当社は海外に出る社員が多いですが、最初から英語を話せる人はむしろ少数派です。TOEICの点数などを理由に「海外は自分に向いていない」と諦めている学生さんがいるなら、「いまの英語力で判断しないで」と声を大にして言いたいですね。

Talk.3 育児と仕事

社内結婚した夫も育児休業を取得。
意外と進んでる?

仕事と育児の両立や制度利用について教えてください。

M.N:今は時短勤務を利用していて、午後4時15分に退社して、保育園へ2人の子どもを迎えに行っています。最初は時短勤務に慣れずに葛藤がありました。退社時間に仕事が残っていたら、誰かに続きをお願いしないといけないですから。完遂できなかった悔しさや、申し訳なさを感じていました。出産前と同じようにやろうと、自分で仕事を背負い込んでいたんですね。

M.S:今は考え方が変わったんですか?

M.N:「自分がやる」から「チームの皆でやる」に意識を変えました。「私がいないと進まない」という状況は、一見責任ある立場のようで、じつはあまり良いことではないと気づきました。仕事の属人的な要素を排して、自分がいなくてもチームが回るようにしないと。そこから、メンバーとの情報共有を徹底するようになりました。

J.H:営業でも内勤に時短勤務の方が多くて、よく社内制度の話を聞いています。私が入社したときは、すでに妊娠したら産休・育休を経て復職する先輩方が多かったですから、制度を利用しやすい環境も整っているのでしょうね。

M.S:私も出産のときは育児休業を利用しましたが、驚いたのは、私の復帰に合わせて、社内結婚した夫も2カ月の育児休業を取ったんです。実際に男性が育児休業を取得する例はまだ珍しいと思いますし、私も「仕事は大丈夫なの?」と逆に心配になりました。協力してくださったみなさまには感謝しています。

M.N:制度があっても、実際に利用しやすい環境かどうかは企業によって違うと思いますので、そこは特に女子学生の皆さんにはよく企業研究をして欲しいですね。

M.S:当社は進んでいるほうだと感じましたが、男女の分け隔てなく育児休業を取ることが、これからもっと普通になっていったらいいなと。それでこそ、本当の意味で、女性も男性も働きやすい社会になると思います。

Talk.4 今後のキャリア

ライフステージが変わっても、
社会や会社に貢献し続けたい

最後に、今後の展望について聞かせて下さい。

J.H:今の部署に異動になってまだ日が浅いので、まずはしっかり経験を積んで、自分のセールスのスタイルを作り上げていきたいですね。今後、ライフステージが変わっていくと思いますが、長いキャリアの中で、ぜひまた海外に出てみたいです。ミネベアミツミはそのチャンスも多いと思いますので。

M.N:近いうちに上の子が小学生になるので、少し働き方を変えなくてはと思っています。子育てしながらの仕事は不確定な要素が多く、なかなか明確な目標を置きにくい面もあります。とはいえ、いつかは子どもが手を離れ、仕事に専念できるときも来るはず。今は焦らずに、スキルやキャリアについて長い目であれこれと模索してみたいと考えています。

M.S:マネジメントに軸足を置くのか、専門性を極めるのかで悩みますよね。理想的には、どちらのキャリアにも対応できる、マルチな人材になれたらと思います。人生100年時代と言われていますから、これからは70歳くらいまでは働くのが普通の世の中になるかもしれません。その間、会社や社会に貢献していくには、どちらか一方だけでなく、バランスが大事なのかもしれません。

J.H:最近は新人に理系女子も増えてきましたよね。「リケジョ」の先輩お二人としては、どうですか?

M.N:私が新入社員の頃は女性がほとんどいなかったので、やっぱり嬉しいですよね。女子会ができる!って(笑) 周囲からの期待も大きいとは思いますが、そこは気負わずのびのびとやってほしいですね。

M.S:会社には、学生の想像の範囲を超えることはいくらでもありますし、最初から構えすぎないほうが逆にいいかもしれないですね。上司や先輩も助けてくれますから。もちろん、私も「リケジョ」の仲間としてフォローします(笑)

J.H:営業も、女性、特に海外でもバリバリやってみたいという方を歓迎します。最初は不安でも、思い切って経験してみると意外と何とかなります。そうやって少しずつ自信をつけながら、ステップアップしてもらえたらと思います。

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