トップマネージメントメッセージ

更新日: 2017年7月10日

画像:代表取締役 会長兼社長執行役員 貝沼 由久 2017年3月期は、欧州における英国のEU離脱交渉の行方や、米国新政権の政策動向への懸念から景気の先行きに対する不透明感が高まりましたが、世界経済全体としては堅調に推移しました。
ミネベア株式会社は、2017年1月27日、ミツミ電機株式会社の株主に対し、当社株式を1:0.59の比率で割り当て、ミツミ電機株式会社を当社の完全子会社にすることにより両社の経営統合を行い、ミネベア株式会社の名称をミネベアミツミ株式会社に変更して新たなスタートを切りました。
かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。この結果、売上高は6,389億円となり、過去最高となりました。営業利益は490億円で減益となりましたが、ミツミ電機株式会社との経営統合効果により、純利益は411億円となり、過去最高益を更新しました。

2017年3月期の主な施策

2017年3月期は、ボールベアリングの需要は非常に好調で月次外販数量が1億8,000万個に達する月が出ました。これに伴い月次生産数量も過去最高の2億6,400万個を記録する月もありました。また、モーターについては車載向けの拡販がかなり進んだことで、第2の柱の成長をけん引しております。LEDバックライトについては、主要顧客向けは数量が減少していますが、中華圏向けでシェア向上を図っており、設備の加速償却が進むことにより、収益にも貢献しています。
機械加工品分野では、ボールベアリング及びロッドエンドベアリングについて各工場の全工程をすべて見直し、一人当たりの生産性を大幅に改善する活動をスタートしており、すでに手応えを感じています。ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリーは、市場が縮小する中で、世界シェアを8割強まで引き上げることで、数量を伸ばしました。
電子機器部品分野では、有機ELに対抗する狭額縁LCDディスプレイ等の開発を着々と進めております。また、LEDバックライトは従来のスマートフォン(スマホ)向けから、これからさらなる拡大の余地がある自動車向けに大きくシフトしていきたいと考えております。スロバキア新工場が2018年1月から稼働する予定であり、この工場は欧州向け車載用モーターの生産拠点となる予定ですが、LEDバックライトについてもお客様からの強いご要望があり、いずれスロバキアに出ていくことになると思います。LED照明器具SALIOTは、米国での安全規格の取得が完了し、これから拡販して参ります。
当社東京本部ビルの近隣にSALIOTのショールームを開設する予定で、2017年8月のオープンに向けて準備しています。
お客様からの反応にも手応えを感じており、積極的な販売活動を進めていきます。スマートシティについては、カンボジアのプノンペンで世界最高クラスのスマートシティを今期末までに形成すべく、様々な国内企業様にお声掛けして、現在取り組んでいます。ベッドセンサーは、近々発売を開始する予定であり、先日株式会社リコー様と共同事業開発契約を締結しました。当社のヘルスケア事業のプラットフォームにしていきたいと考えております。
ミツミ事業については、新型ゲーム機が収益に貢献することに加え、スマホ向けカメラ部品のOISは需要の増加が続く見込みで、生産性の改善も含めて、大幅な増収増益を計画しています。

2017年3月期を振り返って

日本経済は、雇用、所得情勢の改善を背景に個人消費の緩やかな回復がみられ、企業の生産、輸出にも持ち直しの兆しが強まりましたが、期後半にかけ米国新政権の政策動向への懸念から先行きに対する不透明感が強まりました。米国経済は、国内外需要の回復に加え新政権が掲げる財政出動、減税等への期待が高まる中で緩やかな景気拡大が続きました。欧州経済は、英国のEU離脱交渉の行方に不透明感が漂うものの、内需を中心として欧州全体では、堅調に推移しました。一方、アジア地域においては、中国経済は、公共投資の下支えを背景に景気減速からの回復が期待されておりますが、依然景気の先行きに対する不透明感を払拭できない状況下にあります。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。
なお、本年1月27日付でミツミ電機株式会社との株式交換による経営統合を実施し、同統合日より同社を連結対象に組み入れております。
セグメント別の状況を示すと、次のとおりであります。なお、ミツミ電機株式会社の取得に伴い、当連結会計年度より、ミツミ事業を新たに報告セグメントとして開示しております。
機械加工品セグメントは、当社グループの主力製品であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び自動車用と航空機用のねじであります。主力製品であるボールベアリングは、自動車向けでの省エネや安全装置用のニーズ拡大による需要増により外販として過去最高の販売数量を更新しましたが、為替の影響等により売上は減少しました。一方、ロッドエンドベアリングは、民間航空機市場での大型機の生産減、為替の影響等により売上は減少しました。ピボットアッセンブリーは、HDD市場規模縮小の影響を受ける中で販売数量は増加しましたが、為替の影響等により売上は減少しました。
電子機器セグメントは、電子デバイス(液晶用バックライト、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)、精密モーター及び特殊機器が主な製品であります。液晶用バックライトは、スマートフォン市場における薄型技術に優位性を持つ当社への需要は、依然として堅調に推移しております。ステッピングモーターをはじめとするモーターでは自動車向けを中心に好調に推移しました。しかしながら、為替の影響等により売上は減少しました。
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品及び電源部品が主な製品であります。カメラ用アクチュエーター、スイッチ、保護IC等スマートフォン向け製品は、北米、中国向けで堅調に推移しました。またアンテナ、通信モジュール、コネクタ等の車載製品も売上を伸ばしました。
その他のセグメントは、自社製機械が主な製品であり、増収となりました。

2018年3月期の業績見通し(2017年5月時点)

2018年3月期の日本経済は、国内外の堅調な需要、企業収益の改善等により景気は緩やかな回復基調にありますが、グローバルでの地政学的リスクの高まりによる為替の先行きに懸念が残ります。米国経済は、新政権の政策遂行能力に対する懸念が高まるものの、雇用、所得環境が着実に改善しており、底堅く推移するものと見込まれます。欧州経済は、今後も内需主導の堅調な経済成長が続くと見込まれますが、英国のEU離脱交渉やフランス、ドイツ等の選挙後の政治動向が大きな不透明要因となっています。中国経済は、今後のアメリカとの通商交渉の行方に懸念はあるものの、インフラ投資拡大等により底堅く推移するものと予想されます。
このような状況の中で、当社グループは、通期連結業績予想を売上高7,500億円、営業利益560億円、経常利益550億円、親会社株主に帰属する当期純利益415億円と見込んでおります。
機械加工品セグメントの主力製品であるボールベアリングは、世界的な需要の増加に合わせて、引き続き自動車業界、情報通信機器関連業界等への積極的な拡販を進めるとともに、生産性の大幅な改善をはかり、業績のさらなる向上をはかります。また、ロッドエンドベアリングについても、生産方式を根本から見直すことで、生産効率の向上をはかり、さらに成長が見込まれる中小型機の航空機市場で拡販をはかります。
電子機器セグメントの液晶用バックライトは、ハイエンドスマートフォン向けの超薄型導光板等の高付加価値製品の供給を継続しつつ、今後拡大が見込まれる自動車向け製品の売上も伸ばします。ステッピングモーターをはじめとするモーターでは、さらなる品質の向上と原価低減をはかり、自動車、サーバー向け等の高付加価値製品の拡販を進め、さらなる業績の向上をはかります。
ミツミ事業のカメラ用アクチュエーター、スイッチ等のスマートフォン関連製品では、高機能化が進む中で品質の維持向上、生産性の向上をはかり、さらなる拡販を進めます。アンテナ、通信モジュール、コネクタ等の車載製品では、品揃えを増やすとともにグローバルな生産供給体制を整え、業績の向上をはかります。加えて販売の拡大、資材、物流費の低減、新製品開発等の当社グループ全体の規模を生かしたシナジーを大きく創出し、競争力を強化します。
その他のセグメントでは、自社製機械の部品精度の向上に注力することで、完成品部門での生産効率の改善とさらなる品質の向上を目指します。

新中期事業計画と「ミネベアミツミ7本槍」戦略

2017年3月期は過去最高の売上高6,389億円を達成致しました。当社は売上高1兆円または営業利益1,000億円のどちらかを2021年3月期までに達成するという中長期の目標を以前発表致しました。この大きな目標を達成するために、高付加価値製品の開発を含めた従来製品の一層の収益向上と、機械加工製品技術と電子機器製品技術が融合された複合製品事業も含めた事業ポートフォリオの再構築を検討し、製造、営業、技術及び開発の、領域を越えた総合力の発揮により、「顧客要求対応力」と「価格対応力」の強化に努めます。さらに、地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開と研究開発体制を整備するとともに、M&A・アライアンスを通じて、事業ポートフォリオの再構築及び企業価値の拡大を積極的に進めてまいります。これらを具体的に推し進め、業績の一層の改善をはかるため、下記に示す新中期事業計画を策定し、その執行に取り組んでまいります。

画像:新中期事業計画 数値目標

また、このたび「ミネベアミツミ七本槍」というものを、全従業員に示しました。これは、我々の様々なポートフォリオの中で今後何にフォーカスして中・長期的に事業の成長を狙っていくのかということを考えて、以下の3つの基準に該当する製品に注目したものです。1番目は市場規模が大きいこと、2番目はその大きな市場にあって、その中のニッチ分野で我々の超精密加工技術などのコアコンピタンスを利用して存在感が出せること、そして3番目に当該製品に永続性があり簡単になくならないことです。例えばベアリングは産業のコメと言われますが、とにかく市場が大きくて、技術の進歩の中でも簡単にはなくなりません。また、ベアリングの全体市場の中で我々は、外径22ミリ以内で勝負しています。それに類することを、これからセンサー、コネクタ/スイッチ、電源、無線、アナログ半導体でもやっていくべきだろうと考えております。これから我々の持っている様々な技術や経営資源を利用しながら、どういうところで競争力を発揮できるかと考えたとき、このような姿になるとおもいます。ただし、これらすべての投資が潤沢な利益を出すのは、今日、明日の話ではなく、比較的長丁場になるでしょう。

画像:ミネベアミツミ七本槍

情熱は力、情熱はスピード、情熱は未来

当社グループは、ニッチ市場で高い技術力と大量生産による製品供給力を発揮することで、高いシェアをもつ製品を増やす戦略によって創業100周年に向けた基礎固めを着実に進めてまいりました。
2017年3月期は過去最高の売上高を達成いたしましたが、今期はそれを超える7,500億円、来期はLEDバックライトの落ち込みを想定し、7,200億円の売上高を見込んでおります。今後はミツミ事業の大幅な黒字化が全体の利益に大きく貢献する予定であり、3年目には売上高8,000億円、営業利益800億円を目標としております。
当社の製品は主力の小径・ミニチュアボールベアリングをはじめとして、HDDピボットアッセンブリー、航空機用ロッドエンドベアリング、高級薄型スマートフォン用LEDバックライトなどの製品で高い市場シェアを実現しています。これらの製品に加えて、新しい製品を数多く市場投入することで、100周年を迎える未来の世界に、「なくてはならない総合精密部品メーカー」となることを目指し、従業員一同たゆまぬ情熱をもって邁進していく所存です。

株主の皆様には、ミネベアミツミグループに対し引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2017年6月
代表取締役  会長兼社長執行役員
画像:代表取締役 会長兼社長執行役員 貝沼 由久

関連ページ

ページの先頭へ戻る