トップコミットメント

2017年度を振り返って

画像:ミネベアミツミ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員 貝沼 由久 2017年度は、米国の貿易政策を発端とした円高が進行するなど、経済の先行きに対する不透明感が高まり、周辺状況が厳しさを増した1年でした。しかしその中で、昨年1月に経営統合したミツミ事業の収益が大きく伸びたこともあり、全体として増収増益を実現しています。2018年3月期の決算では、売上高は前年同期に比べ37.6%増の8,791億3,900万円、営業利益は61.5%増の791億6,200万円、純利益は44.3%増の593億8,200万円となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてにおいて過去最高となりました。

こうした結果を生み出せたのは、常に社会ニーズに的確に対応しながら事業を展開してきたからこそだと考えています。機械加工品事業は、自動車の省エネや安全性の追求、電気自動車需要の拡大といったニーズに応えることで堅調に推移しました。電子機器事業では、液晶用バックライトは既存技術の改良により堅調で、車載モーターは急速に伸張しています。また、ミツミ事業の好調については、すべての製品が好調だったことに加え、グループ全体のシナジーを生かし、徹底した技術指導を通じて生産性を改善したことが大きかったと考えています。

中期目標として掲げた売上高1兆円/営業利益1,000億円という数字の達成も視野に入ってきました。世界でも類を見ない「真の総合精密部品メーカー」として、さらに前進していきたいと思っています。

一方、社会的責任という点についても、社是である「五つの心得」の精神のもとでの体制構築をグループ全体で推進しています。CSRマネジメントをより強固なものにするため、新たに加わったミツミ電機の国内拠点においてもCSR活動の啓発と現状把握を行う「CSRオフィサー」を設置しました。

また、ミツミ電機千歳事業所では2018年5月、千歳市長や地元大学関係者など地域の人たちとの地域ダイアログを実施しました。地域にとって「より必要な存在」となっていくため、さらなるコミュニケーションの深化を目指しています。

こうしたさまざまな取り組みをグループ全体に広げ、「五つの心得」を実践に移していくこと。それが、ミネベアミツミグループとしてのCSRのあり方だと考えています。

「相合」で新たな挑戦を

今後も社会に求められる会社であり続けるためには、CSR基本方針にあるように、地球環境および人類の持続可能な発展に貢献できる製品を開発していくことが不可欠だと認識しています。そのためには、環境問題をはじめとする社会課題を的確にとらえ、グループが持つ多角的な強みを融合・活用していくことが重要です。

こうした姿勢から生み出された「新製品三羽烏」と社内で称している製品が現在、成果を生み出しつつあります。

まず、LED照明器具「SALIOT(サリオ)」。照明方向の上下左右、調光、配光角度、色温度を手元のスマートフォンやタブレットで自由自在に操作できます。環境性能が高いことはもちろん、これまで長時間かかる深夜の展示会場などの高所での照明調整もスマートフォン一つで行えるため、現場の方たちの働き方改革にもつながります。

二つ目は、介護市場向けベッドセンサーシステムです。高精度荷重センサーとシグナルの解析技術の組み合わせによって生まれたもので、ベッドの脚の下に取り付けたセンサーによって利用者がベッドのどのあたりで寝ているのか、参考体重、体動などを利用者に触れず、高精度にモニタリング。高齢者施設での見守りサービスをはじめ、医療・介護の幅広い分野での支援に活用できます。

そして三つ目がスマートシティソリューションです。数年前より、カンボジアで無線ネットワークを活用した高効率LED街路灯の導入事業を展開してきました。従来のナトリウム灯に比べ温室効果ガスの排出量を約80%削減し、カンボジア環境大臣賞も受賞しています。さらに、道路灯のネットワークに各種センサーを接続した実証実験を進めています。道路灯を、都市生活の利便性・安全性向上などにつながるシステムとして進化させるべく、さらなるチャレンジを継続中です。

もちろん、事業の中核として位置付けている「7本槍製品(ベアリング、モーター、センサー、コネクタ/スイッチ、電源、無線/通信/ソフトウェア、アナログ半導体)」についても、引き続き経営資源をしっかりと投下し、社会にさらなる価値を提供していきたいと考えます。

「真摯なものづくり」への思いの共有を

ミネベアミツミグループは創業以来、社会の要請に対し「より良き品を、より早く、より安く、より多く、そして賢く」提供していく「真摯なものづくり」を積み重ねてきました。この姿勢は、今後も変わらずグループ全体で徹底していきます。

さらに、コーポレートスローガン「Passion to Create Value through Difference」のもと、ニッチな分野で高い技術と実績を持つ当社グループの強みを生かしつつ、常識を超えた「違い」で新しい価値を創造していきます。また、持続的成長を支える取り組みとして、環境・社会・ガバナンスに配慮した「ESG」経営を重視しながら進めてまいります。具体的には、エネルギー消費の低減などに資する各種製品を社会に送り出すことにより、環境負荷の低減と環境保全活動を推進し、世界的に解決が求められる持続可能な開発目標(SDGs)のような社会課題にも貢献できる、社会にとって「なくてはならない会社」になっていきたいと思います。

本レポートでは、当社グループが現在取り組んでいる事業活動、そしてCSR活動について、多彩な角度からご紹介しています。皆様からのご意見とご要望を今後の企業活動に積極的に生かしていきたいと思っておりますので、どうぞ忌憚のないご意見をお寄せください。

新製品三羽烏

画像:SALIOT 画像:ベッドセンサーシステム 画像:スマートシティソリューション

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