第三者意見

ミネベアミツミグループCSRレポートを拝読して

画像:株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部副本部長

株式会社日本政策投資銀行
執行役員
産業調査本部副本部長
竹ケ原 啓介氏

ミネベアミツミグループCSRレポート2018は、グループCSRマネジメントが経営統合を経て着実に強化されている様子を多面的に紹介しています。経営統合やグローバル展開の一層の進展を通じてカバレッジが拡大する中、社是「五つの心得」を基盤に構築されたCSRの考え方を、グループ全体に同時並行的に浸透させるという難しい課題に対する貴社の取り組み姿勢が分かりやすく伝わってきます。そのエッセンスは、経営資源として「人」を重視する一貫した姿勢と、地域や事業所の特性への深い理解と配慮にあるように思われます。新たにグループに加わった国内事業所を舞台に地域のステークホルダーとのコミュニケーションを図る特集1や、海外拠点でのCSR実践の様子を伝える特集2と3は、これを具体的に示す好例です。特に海外従業員の皆さんへのCSR理念の浸透ぶりが印象的です。既に円熟の域に達した感のあるタイの事例はもちろん、ダイナミックに成長しているカンボジア工場の事例からも、地域社会への深いコミットメントが人づくりを経て競争力につながっていくストーリーが伝わってきます。グローバル企業ならではの価値創造ストーリーとして秀逸です。

今号を拝見して気付いた、もう一つのポイントが、社会ニーズへの対応と企業としての成長戦略の接続が強調された点です。巻頭のトップコミットメントにおいて、2017年度の過去最高収益が社会ニーズへの的確な対応によるものとの認識が示されたほか、環境マネジメントにおいて、製品を通じた環境への取り組みの記述が深耕されました。昨年までの環境配慮製品に代わり、今回から環境貢献型製品という用語が用いられています。世界の電力消費の約40%がモーター、25%程度が照明により占められている現状に鑑みれば、貴社製品を通じてもたらされるインパクトは非常に大きく、貢献を前面に打ち出すことのメッセージ性は高いでしょう。昨年の本欄において、社会課題の解決と成長戦略を結びつけるシナリオの強調をお願いした者としても、大変うれしく思います。

繰り返しになりますが、貴社CSRレポートは人的資本や関係資本等に焦点を当てて価値創造の仕組みを丁寧に開示するという点において、他に類をみない特長を備えています。今後は、このレポートのユニークさをより多くのステークホルダーに理解してもらうべく、投資家向けに提供されている情報との接続を強化するよう期待したいと思います。例えば、投資家向けに提示されている、「コア事業とニッチな技術・製品を『相合』してシナジーを創出し、持続的な成長につなげていく」というメッセージを、本レポートの冒頭部分で再掲し、その上で、このレポートが、こうした成長シナリオを支える投入資本についてより深い情報を提供するものである、という形で位置付けを明確にする方法も一考に値するものと考えます。

竹ケ原 啓介氏

一橋大学法学部卒業後、日本開発銀行(現株式会社日本政策投資銀行)に入行。調査部や政策企画部、フランクフルト首席駐在員、環境・CSR部長等を経て、現職。その他、環境省「持続可能性を巡る課題を考慮した投資に関する検討会」委員、「環境成長エンジン研究会」委員、内閣官房「環境モデル都市ワーキンググループ」委員、NEDO技術委員などを務める。

第三者意見をいただいて

画像:常務執行役員 人事総務部門担当 松田 達夫

常務執行役員
人事総務部門担当
松田 達夫

竹ケ原様には本年度も大変貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。

ミネベアミツミグループCSRレポート2018では、特集記事で国内と海外の活動を紹介しました。経営統合により当社グループに加わったミツミ電機千歳事業所の地域とのコミュニケーション、およびタイ・カンボジアの現地に根付いた取り組みです。特に海外におけるCSR実践と従業員へのCSR理念の浸透をご評価いただけたことに、感謝申し上げます。

一方、社会課題の解決につながる製品の例として新型LED照明器具「SALIOT」をHOT TOPICSで取り上げました。社会課題の解決と成長戦略の結びつきを高くご評価いただき、大変うれしく思います。環境貢献型製品を含め、製品を通した社会課題の解決への取り組みを引き続き推進してまいります。

ご指摘いただいた投資家向けに提示されている情報と社会ニーズへの対応との接続をさらに強化することが、課題と考えています。

今後も当社のCSR活動をすべてのステークホルダーの皆様にご理解いただけるように、わかりやすいレポートの発行に取り組んでまいります。

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