第三者意見

ミネベアミツミグループCSRレポートを拝読して

画像:株式会社日本政策投資銀行 環境・CSR部長 竹ケ原 啓介氏ミネベアミツミグループCSRレポート2017は、2017年1月の経営統合後に発行される最初のCSRレポートになります。このため、基本的なフォーマットこそ前号のものが踏襲されていますが、内容面では新たな取り組みが数多く観察でき、新コーポレートスローガン「Passion to Create Value through Difference」に謳われた、「常識を超えた『違い』による新たな価値創造」を見せていこうという意図が強く感じられます。そのポイントをキーワードとして整理すれば、「新たな成長戦略」、「グローバル展開」、「人的資本重視」に集約できるように思います。

まず「新たな成長戦略」ですが、巻頭のトップコミットメントおよび特集1の役員対談において、経営統合の意義や今後の方向性が語られる中から浮かび上がってきます。メカニカルとエレクトロニカル、アナログとデジタル、入力と出力など、両社の強みを対比させながら、これを融合した新たな重点事業ポートフォリオ「7本槍」戦略を提示し、具体的な成長分野としてIoT時代を支えるさまざまなデバイス(車載系やロボティクスなど)やヘルスケアを展望する論旨は明快です。

次の「グローバル展開」は、かねてからこのレポートの基調をなすテーマですが、今回はHOT TOPICSとしてCSR調達と人材育成にフォーカスしたことで、貴社の特徴が一層際立ったと思います。国内市場の縮小を前に、機会としてグローバル戦略を語る企業が増えていますが、その際に重要な非財務情報となるグローバルなESGイシュー※1への対応を開示できている企業はまだ少数にとどまります。この点、貴社はCSR調達のカバレッジ※2を着実に広げ、近時は海外拠点での管理を強化するなど、そのプロセスを開示しており、非常に先駆的といえます。今後、自己チェックシートがミツミ電機の東南アジア拠点にも展開されるとのことですので、この強みは一層強化されていくものと思われます。

最後の「人的資本重視」も、グローバル化と同様、貴社レポートの特徴の一つです。「人」への視点は一貫して重点テーマでしたが、今回はHOT TOPICSでのグローバルな人材育成の紹介に加えて、特集2で次世代教育をテーマに据え、全世界でグループ横断的に次代を支えるエンジニアの育成に注力する姿勢が紹介されたことで、今まで以上に「顔」の見えるコンテンツになっています。

更に、環境管理等に係るデータ類をwebに移行させ、本編は上記の特徴ある取り組みの方にスポットを当てるなどの型式面での工夫も、「違い」を際立たせるうえで効果的だったと思います。

今後は、7本槍戦略を通じた価値創造を、情報化や高齢化など社会課題の解決と結びつけるストーリー性を前面に打ち出すことで、新スローガンに込められた貴社の想いをより印象的に伝える工夫に期待したいと思います。

  • ※1 環境、社会、企業統治の課題。
  • ※2 適用範囲・適応範囲。

竹ケ原 啓介氏

一橋大学法学部卒業後、日本開発銀行(現株式会社日本政策投資銀行)に入行。調査部や政策企画部、フランクフルト首席駐在員、環境・CSR部長等を経て、現職。その他、環境省「持続可能性を巡る課題を考慮した投資に関する検討会」委員、「環境成長エンジン研究会」委員、内閣官房「環境モデル都市ワーキンググループ」委員、NEDO技術委員などを務める。

第三者意見をいただいて

画像:常務執行役員 財務・コンプライアンス推進部門 CSR推進室、コンプライアンス推進室担当 松田 達夫竹ケ原様には本年度も大変貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございます。

ミネベアミツミグループとして初めてとなる本年度のCSRレポートには、特集記事とHOT TOPICSをそれぞれ二つ掲載しました。この特集記事、HOT TOPICS が、ミネベアミツミグループのCSRを表していることを高く評価いただき、大変うれしく思っております。

今回ご指摘いただきました価値創造を社会課題の解決と結びつけるストーリーは、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを通して課題を把握し、進めたいと考えます。

また、2016年度CSR目標の中の未達成のものは、2017年度の課題として認識しております。PDCA推進体制の改善をはかるべく、前向きに取り組みを進めてまいります。

今後もCSRレポートがすべてのステークホルダーの皆様にミネベアミツミを知っていただく有効なツールとなるよう「読みやすい、分かりやすい」レポートを心がけてまいります。

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